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森が消えれば海も死ぬ―陸と海を結ぶ生態学 第2版 (ブルーバックス)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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森林と海との具体的な関連性 ★★★★☆
海の生態系が豊かになるためには、陸上の森の保全が大切であることは近頃では周知のことですが、そのことを先駆けて提唱されていた本の第2版が本書になります。

森がどのように海の生態系を保っているのかについての説明が詳細で森林と海との関係が良く分かります。昆布に大切な鉄分がフルボ酸鉄として陸上の森林の腐植土、湿地、水田からの寄与が大きいという事実は非常に興味深い。
このように、観念的ではなく、事実として森林と海の生物との連鎖が説明されることにより、森林保全、ひいては海洋資源の保全に対しての意識が高まると思います。

日本人の食生活が変わってきているとはいえ、魚介類が食生活の大きなウエイトを占めている状態であることは間違いないでしょう。世界的に魚介類の消費量が大きくなっていることと食料自給率が低い現状を考える時、水産資源を守るということは非常に重要な課題であると思います。

そのことを解決できる可能性が示されている意義深い一冊だと思います。
磯焼け ★★★★★
日本各地で起きている磯焼け。

原因はウニの異常発生ではなく、
森林の減少が原因だと述べている。

鉄イオンが大切なこと、
マングローブが大切なことなど
繰り返し述べられている。
森がなければ、漁業は成り立たない。

改訂を続けて、読み継がれていって
ほしい本です。
時宜に適う改訂 ★★★★☆
今では多くの人が理屈は分からずとも、川や湖や海の環境に森が深く関係していることを知っている。だからこそ新たなダムの建設にはシビアな目が向けられるようになったし、森林を失う形での開発はよほどのメリットがない限り推進されないだろう。森と海の化学的かつ生態的な関係を明らかにし、森林を保全するうえでの一つの科学的根拠となったのが1993年に発行された第1版であるが、本書は新たな知見を加え、最近話題に上ることの多い諸々の環境問題にも言及した改訂版である。

本書の核心として、森林が川や湖や沿岸海域の生態に及ぼす影響、特に光合成生物が必要とする鉄イオンの供給源であることの重要性が詳しく説明される。森林はまた天然のダムでもある。森林がなくなり腐植土層が失われると洪水や渇水の危険が増すことも説明される。他に簡単ではあるが、エチゼンクラゲの大発生、埋め立てによる干潟の消失、地球温暖化などにも触れる。そのなかで述べられる著者の提言は理に適っていて鋭い。

ここ数年で、地球温暖化や異常気象、海洋生物資源の減少などがニュースとして報じられる頻度は確実に多くなってきている。このようなグローバルな問題は市民一人ひとりが意識しなければ解決に向けてのスタートさえ切れない。特に、最近大きく報道された漁獲規制は日本の食事情に大きく関わる問題だ。輸入や遠洋漁業にいつまでも大きなウェイトを置いておくわけにはいかない。だからこそ沿岸漁業復活のヒントを与える本書の価値は高い。環境問題への意識が高まりを見せるなかでの今回の改訂はタイムリーだ。
陸と海とのつながりを教えてくれる ★★★★★
「森は海の恋人」という感動的なエッセイがありました。本書の中でもP.159で紹介されています。森を守ることで海の生き物が蘇るということで、大漁旗が並んだシーンは感動ものでした。その内容の科学的裏付けを教えてくれる本で、非常に説得力があります。
様々な自然現象にはいろいろな学者が諸説を述べ、対策等の持論を展開しますが、その中でも実践を通じて生き残ってきた著者の論理には敬服します。
森林と海の密接な関係 ★★★★☆
陸の自然環境が、海の生態系に及ぼす影響を研究した成果をまとめた一冊。化学や生物の用語は多少出てくるが、特に理科に詳しくなくとも読める内容である。著者は、森林と海や川や湖の環境との関連性を長年研究してきた第一人者。

「第1章:魚を育てる森」では、海の環境が、川を通じて陸の生態系とどのように関連しているのか、そして近代の陸地での自然破壊が海にも悪影響を及ぼしていることを説明している。「第2章:森が貧しいと海も貧しい」では、特に著者が力を入れて研究してきた、鉄分と海の生物の関係が読みごたえがあった。「第3章:海の砂漠化」では、石灰藻の広がりによる砂漠化について解説している。その対策として、鉄鋼礁の効果についても言及されている。「第4章:海と人間のかかわり」では、食物連鎖という視点から海の環境を解説している。赤潮や青潮も登場する。「第5章:地球環境再生のカギを握る森林と海」では、地球温暖化と絡め、人間と自然の共生の大切さを訴えている。

1993年に初版が出版されたものの改訂版とのこと。参考文献には、初版以降に出てきたものがずらりと並んでおり、内容も近年の成果を随所に盛り込んである。日進月歩の科学技術を扱っている書籍は、このように適時改訂を行うのが望ましい。