キック キック ・・・
★★★★★
宮澤賢治の世界を時代を超えた子供にわかりやすく
表現してくれたいもとようこ。
夢を持って話の続きを、ページがめくられるのを
ワクワクしながら待ち望む。
大人にならないとダメなことが多いなか、
子供限定の心躍る体験がまっている
秘密の優越感。
子供心に戻って、お子様とご一緒に楽しめる一冊です。
美しいストーリーのキレイな絵本
★★★★★
「画本宮澤賢治」シリーズは何冊か持っています。
特色インクを使った、手間ひまをかけた印刷など、丁寧に作られた素敵なシリーズです。
その中でも、この「雪わたり」は、
この画本シリーズのコンセプトにぴったりの内容と雰囲気で、
とても上品なクオリティの絵本だと思います。
幼い兄と妹が、一面雪景色の野原を、渡っていく。
「堅雪(かたゆき) かんこ 凍み雪(しみゆき) しんこ」
「キック、キック、トントン。キック、キック、トントン。」
かわいらしくも、リズミカルな声とともに、
幼いふたりは、雪の野原を渡って森の中に入って行く・・・。
幼いころの自然の中での、なんとも不思議な幻想的な、ちょっと楽しい世界。
意味のあるような、ないような・・。
子供の頃の無邪気な記憶が、やさしくよみがえってきます。
デジタルなWEBの時代、
紙にインクを印刷した「絵本」という、ある意味ちょっと贅沢なもの。
そんな丁寧でアナログな「贅沢」が、とても気持ちいい絵本です。
心の中の雪国
★★★★☆
小学校低学年の頃から、本当の「雪わたり」がわからないながらも、
賢治の文章から雪国の匂いを嗅ぎ取り、子どもたちと
きつねとの不思議なやりとりを、何度も読み返しながら楽しんでいました。
後にこの印象的な絵が、堀内誠一さんによるものだと知りました。
親しみやすい絵のおかげで出会えましたが、
絵がちがっていたら、又は絵のない本で読んでいたら、
賢治の文そのものを味わえたのかもしれません。
きつねの合い言葉は、大人になってもうそつかず人をそねまず
★★★★★
かた雪かんこ、しみ雪しんこ、かた雪、しみ雪、キック、キック、トントン・・・のリズムにのって読んでても楽しい。こぎつね紺三郎のすましたお話の仕方、きつねの幻灯会、どれも雪の夜、冬の夜に読むと布団に入ってからも想像力が広がりそう。きつねはだますのが商売、きつねのばかされた、といわれて育った私だがこの本できつねは本当は友達なのに、人間が勝手に思いこんでいたんだと思った。きつねのこどもたちに「大人になってもうそをつかず、人をそねまず生きていこう」という紺三郎の挨拶が大人になってしまった私が聞いてもじ〜んと感動する。
モノクロの世界が素晴らしい。
★★★★★
賢治のレトロで暖かい世界を、モノクロで繊細なタッチが良く現していると思う。
読み聞かせにぴったりの本。
わたしも娘に読みました。