フレーゲ・ルネッサンスはこの人から始まった。
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意味の理論について反実在論のプログラムを提唱したマイケル・ダメットの本です。フレーゲの再評価も彼の70年代の研究によって始まりました。日本には80年代にその研究成果が紹介されて、特に理数系に強い研究者は彼に触発されて、フレーゲを読み直したり、意味の理論を構想したりしています。
内容とは関係ありませんが、ダメットの本はタイトルがいいです。
タイトルによく使用される「真理」(Truth)という言葉は、実存主義の本のタイトルによく使用されていた「存在」という言葉と同様にイメージを喚起させる力があります。しかも別の本「真理という謎」(Truth and Other Enigmas)では「謎」(Enigma)という言葉まで使われていますし。エニグマといえば、第2次大戦中にドイツで使用されていた暗号もこう呼ばれていました。