少年アリス…苦手
★★★☆☆
文庫化された長野作品は九割は買って読んでますが、初期の作品はやはり読んでてむずむずしますね…。
ファンタジーというかメルヘンなんでしょうが、
モチーフや展開が可愛いくて綺麗過ぎてむずむず。
好きな人は好きなんだろうなあとは思うが。
やっぱり「上海少年」や「白昼堂々」位のリアリティやクールさがあるほうが好き。
「甘ったるい」と思ってしまう長野作品ってこれ位だ…。
あと、河出文庫、字の組み方が読みづらい。 何故字と字の縦の間を空けるのか。 ぺージの上下に余白をいっぱい入れればいいじゃないか。
宝物のような物語
★★★★★
まるで宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のような美しくそして幻想的な物語である。
他の作家と比べるのは失礼かもしれない。
しかし彼を彷彿させる透明感のある幻想的な小説。
生まれなかった鳥たちの世界に迷い込んでしまったアリスと彼を救おうとする友人蜜蜂、美しすぎる物語にはなかなか感動できなくなっていたが、その物語は心から「綺麗」そして大切にしたい、そう思った。
独特の世界観
★★★★★
長野まゆみ作品で初めて読んだ本です。
独特の世界観が素敵です。
メルヘンっていいなぁ・・・
★★★★★
長野まゆみさんの作品が気になっていたときに、なんとなく
手にとってみた本です。最近流行の「不思議の国のアリス」風
(もしくはパロディもの)の話かと思っていたので、読む前は
少し不安でした。
早速読んでみると、そこは不思議の国のアリスとは別世界の
不思議の国。不思議な名前のキャラクターに、メルヘンチック
だけど、パステルカラーではない世界観。読み終わる頃には
すっかりその世界に引き込まれていました。
長い話ではないのですが、地を踏みしめるようにしっかりと
物語が進んでおり、とても印象の良い本でした。
やっぱり違う。そしてファンシー。
★★★★★
この本を見た際、まず一番に思ったのは「不思議の国のアリス」のこと。どうせ、アリスの世界を真似た出来の悪い空想本でしょ。
少し立ち読みし、まったく違う世界観に引き込まれました。音で表すなら“ぱちん、ぱちん”という、何かが弾け飛び立つような可愛らしい高音。
キラキラしていてユニークで。アリスが男の子というのがまたいい。
話自体は単純なんですが、御伽話みたいにぎゅっと中味が詰まっている嬉しさはたまりません。
ファンタジーらしい、何とも云えない残酷さも躯の芯に響きました。漢字が多いのも雰囲気があります。
アリスの退廃的な雰囲気に溺れてよかった。
この本の世界、夢と空想と現実は近くて遠い。まるで水鏡の中にいるようでした。