ただ、分担執筆のため、筆者の力量の差が本編のクオリティーにバラツキを与えてしまったのが残念である。
特に第3部の提言編は基礎的であるが、大崎貞和、種田勝正、高橋琢磨、遠藤彰郎、岡田依里、各氏のパートはすばらしい。今後のIRの課題を簡潔に示している。
一方、田中襄一氏の執筆分担部分はモタモタダラダラしていて読むに耐えない。新井富雄、北川哲雄、前田正吾、各氏の稿もなにをいまさらという内容で首をかしげる部分が多い。
以上総合して、本書は自分に役立つと思われる部分だけを読むべき本であり、通読しても時間の無駄となるおそれがある。