会計人として、地方公共団体の財務四表作成の支援を行った経験があります。その時には、公有資産台帳については、貸借対照表（Ｂ／Ｓ）を作成するために、固定資産の金額情報を確定することしか考えていませんでした。本書を読んで、公有資産台帳整備の大切さが分かったと同時に、なぜあの時、自治体の方々が公有資産台帳整備にあれほどこだわったのかも理解できました。
今後、地方自治体にとって「公有資産改革」は避けて通れない課題です。長期的視点に立った資産戦略を立案するためには、公有資産情報を俯瞰的に見るデータベースの整備が重要となってきます。
本書は、説明文と、それを総括する図解がなされていて、読み進めやすい構成になっています。公民連携による公有資産活用の具体的事例も多数紹介されており、身近なこととして納得できます。
「自治体職員必携の書」との紹介文がありますが、自治体職員のみならず、私のような職業会計人、更には自治体に税金を納め、自治体からサービスの提供を受けている、生活者全てが読むべき書であると思いました。