日本の美学
★★★★☆
この方の書籍を読むのは、たしか2冊目です。親日というか知日という立場で日本を論じている方です。
呉女史は日本の大学で教鞭をとっておられて、その中でも人気のある講義を本にまとめたようです。
日本人とは何かを日本人自身が客観的に感じることが難しいので、こういった外国人の視点を借りると非常に勉強になります。といっても呉女史は帰化されたので、元韓国人で今は日本人です。
日本人の曖昧さは短所ではなく長所です。主張をするのではなく宥和を的な民族なのです。日本人であることにまた、誇りがもてます。
ゆがみの美
★★★★☆
日本の美しい風景「棚田」、ゆがみの美「やきもの」、
これをすべて『あいまい』と表現してよいのか違和感を感じるが、
韓国生まれの著者の視点は、日本人にはない、日本の心があるように思います。
日本の文化って素晴らしいと、日本人でありながら再確認するいい講義本だと思います。
せひライブで授業を受けてみたくなりました。★4つ
曖昧力ってなあに
★★★★☆
海外の人に、これほどあからさまに褒められると、ほんまかいな? と思う私がいます。
それに、著者が、日本の特質として、良いと思っていることは、”あいまい”という言葉で表現されるような内容ではない気がします。もっと美意識、自然観、宗教観、といったことに近い議論ですが、それは、あいまいという言葉では、ないと思う
しかしながら、”日本にも日本の良いところがあるんだよ”と言ってくれている著者には、素直にありがとうと言いたい。
まあ、すっかり自信をなくしている日本でも、ちょっとは顔をあげられますか・・・。
ともかくも、いつもと違った歴史観や、日本文化論に触れられるので、読む価値は大いにあると思います。
日本っていいですね
★★★★★
日本はよく世界の標準からすると変わってるとか、おかしいような話が世間では良く出てきますが、それは世界が標準なのではなく日本が世界標準から飛びぬけてもっと先を行っているので回りが理解できない故なんだなと、この本を読むと理解できます。
日本人では見えてこない部分を外国人の視点で分析して的確にまとめているのには驚かされます。日本人ということに自信がでてくる一冊です。
私も学生の時にこのような方の授業を受けてみたかったな。
グローバルな視点で客観的に深く解明された、極めて優れた日本人及び日本の美意識論
★★★★★
日本を構成する3つの要素(1.欧米化された日本、2.中国や韓国と似た農耕アジア的な日本、3.前農耕アジア的日本)の内、日本の特異な美意識や曖昧である一方協調を尊ぶ精神性は「前農耕アジア的日本」に由来することを納得感を持って分り易く解説しています。
「全農耕アジア的日本」とは縄文時代から自然の中に神が宿る感性を1万年の長きに培ってきた精神であり、日本の優れた美意識・精神性・国民性のルーツがそこにあると、日本の風景や美術の写真を織り交ぜて様々なテーマで解明して行きます。
昨今の格差社会等、欧米近代化文明の悪しき要素が着実に日本(人)を蝕んでいることは事実ですが、本書の2000年のデータでは殺人・強姦・強盗・詐欺の数は他の主要国と比べて日本は圧倒的に少ない平和で安全な国であり、
韓国人の著者が見出された日本人の良い面(日本の美意識や調和を重んじる曖昧力)が、著者が言うように、今、世界が陥っている限界を切り開き、世界をより良き方向へ導くことを願います。
元上司のフランス人はその娘・息子と一緒にとても日本好きですが、外国の方と仕事をする方には、日本人が持つ本質やそのルーツを外国の方に説明する一つの優れたツールとしてもお薦めできます。