内容に遺漏は無いものの、「チュートリアル」を越えた内容
★★★★☆
「Javaチュートリアル」の第四版。第三版に比べて追加された主な項目は以下の通り。オブジェクト指向風味を強めたGeneric型(第6章)、Perl風の文字列パターンマッチング用の正規表現(第13章)、Web中からリンクされたAPをワンクリックで起動するための「Java Web Start」機能(第17章)、そしてC風のenum型、個人的には有用性が疑問なannotation(注釈)型。既存の項目も大幅に加筆・修正されている。尚、前版同様、本版も下記のURLの「The Java Tutorials」をベースにしている由なので、本書購入前に参照しておくのも手であろう。
http://java.sun.com/docs/books/tutorial/
執筆者はSunのテクニカル・ライター達なので、内容に遺漏は無いものの、630頁強と大部である。Javaの登場当時、私がSunのHPからダウンロードしたチュートリアルはA4で50枚程度。隔世の感がある。本書も、入門者向けと言えるのは、精々第四章までで、最早「チュートリアル」と呼ぶより、中級者以上の解説書と言うに相応しい(Swing等は別の専門書が必要)。簡潔な言語仕様を謳って登場したJavaだが、時代の流れと共に肥大化して行く仕様に戸惑いを覚えながらも、それに付いて行かねばならぬ企業プログラマの立場を改めて感じさせる一冊でもある。