出会いから運命を感じる
★★★★☆
最近運命論者のように物事を考えるようになって、漫才ブーム前に出会い、仲良くなるというのは何かがあるのだろうなと強く感じた。
横山やすしから置いておかれて、金がないから始発まで一緒に歩くというトラブルを共有してこそ友情が深まる。
漫才ブームで有名になった後は表面的な知人は増えるだろうが、その苦労の過程を共有した戦友とも呼べる友人はもうできないだろう。
東京に進出して、舞台に出たあと、たけし氏の「すごい受けてたそうだね。がんばって」というメモには温かさがこもっていてとてもよかった。
売れなくなった後、友人として同居したのは面白い。
忙殺されるたけし氏の横で、テレビを見ながら笑っているっていうのもなんかすごい。
ただ基本的に考え込む、神経質で悲観的な「彼」からすると、能天気で楽観的で何も考えていないような「俺」は相反する個性に惹かれるようにある種の中和剤になっていたのだろう。
あと島田紳助氏の電話はちょっと感動した。
自分の夢であり、目標だった先輩が芸能人として仕事がないことは本当にさびしいことだったのだろうな。
イタズラ兄弟のような友達同士
★★★★★
漫才ブームの頃はB&Bのファンでした。漫才ブームから数年経った頃、いつの間にかビートたけしのファンになり、そのまま途切れず現在に到ります。だから洋七さんとたけしが親友なのは知ってました。だけどここまでいい付き合いをしていたとは知りませんでした。一気に読み終えてしまったし、すごく面白くて、読んでて胸が熱くなりました。
洋七さんの後援会のテーマでたけしを取り扱うと、聴衆がたけしの事ばかり聞きたがるとありましたが、実は私もそんな感じでこの本を手に取りました。フライデー事件、バイク事故、ヴェネチア映画祭で金獅子賞を獲った時のたけしの様子を、親友の立場からはどう見たのか―――そういう事が知りたかったのです。
勿論その好奇心は満たされましたが、この本の収穫はそれだけではありませんでした。子供の頃、B&B大好きだった頃の感覚を思い出してすごく懐かしくて嬉しかったです。
ついでに島田紳助さん。あまり好感を抱いてなかったのですが、この本でちょっと見直しました。
たけちゃんと洋七の友情物語
★★★★★
声を出して笑えます。そして泣けます。かの漫才ブームを知っている人なら尚更。
何だか分からない「たけちゃんと洋七の友情物語」(笑)。