ここのところ数巻は１巻ほどには感じなくなっている、というより多少違うベクトルを向き出してる気もしないではないですが、「もしもギャルゲーの登場人物が現実世界に表れたら……そんな都合のいい話なんてねェよ！」的なある種のアンチテーゼ性がこのシリーズの見どころなわけですが、そういう意味ではこの短編集は「アンチテーゼへのアンチテーゼ」ですねい。

これでもかといわんばかりの「ファンディスク的」かつ、「ギャルゲーらしい」ストーリー展開に、目眩すらしてきそうです。もちろん褒め言葉として。(笑)

addonと違いFandiskサイドは完全な短編集です
プロローグや幕間は理恵・咲・ゆうきのお泊りシーン
その中で「あんなコトがあった」「そういえばね〜」と思い出を振り返る、
そこで挟まれるのが各々の短編といった感じ、構成の仕方が上手く楽しめました
短編の話一つ一つはそれほど奇を衒ったモノでもなく先も読みやすかったです
しかし、「ヒロインがゲームから現実に出てきた」設定を生かした話で、
他のラブコメのサイドストーリーとは違うな、と感じさせるモノでした

短編の概ねの内容は、
手術で命を存えた咲と、彼女を苛めていた高橋が親友になるきっかけを描いた話、
四阿小由奈の買い物でメイド喫茶などに付き合う話、
エターナルイノセントの告白シーンに沿ってヒロインたちに告白させられる話、などなど・・・

そしてただ短編を読ませて終わりじゃなさそうです
最後の方では本編に大きく響いてくるであろう気になる発言や展開などもあったり・・・
今後どうつながっていくのか、更に期待が深まりました
作品のファンの方は絶対に読んでおくべきだと思います