酒のほそ道系統を期待すると肩透かし
★★☆☆☆
酒のほそ道、うまい話にゃ肴あり、つまみ道場など徹底して
酒とつまみのことを題材にしてきたラズウェル細木だが、
本作はそういった傾向は薄く、シュールギャグ?っぽい
短編集となっている。
表紙の女将や旅館料理のようなものは出てこず、この意味では
表紙詐欺である。
他作品では、簡略された絵柄がいい雰囲気を出していたが、
本作の収録作品では話がつまらないせいか「ただの下手な絵」
にしか見えない。特に一番最初の話の絵など、明らかに
酒のほそ道1巻と比べてすら描き殴りのようなやる気の無さを
感じる。
ラズウェル細木の著作は出るたびに片端から買っている程のファンだが、
前に出た「食べる門には福来る」や、「ラ寿司」後半の
短編集などをみるに、氏は岩間宗達や金ちゃん、酔庵のマスターなど
うまく動かせるキャラがいないと話に魅力が出ないタイプなのでは
ないだろうかと思う。
今後も酒のほそ道などは買い続けるが、短編集は二度と手を出さないと思う。