この増補改訂版は旧版の記載内容を全面的に見直し、最新の研究成果を盛り込んでいる。扱っている作曲家も旧版では欧米124人・邦人17人に対し、この新版では欧米184人・邦人28人と大幅に増やした。取り上げた楽曲も743曲と、旧版比でほぼ倍増だ。ピアノ・デュオに関する、これだけの解説書は、世界中を見ても存在しない。確かにこれまでも、「曲のカタログ」的な解説書は欧米で出ていた。しかし本書は、それらとは明らかに一線を画すものである。そう、「世界にただ1冊のピアノ・デュオ解説書」と言っても過言ではない。
ピアノ・デュオに接しようとする人は、演奏者、聴き手、プロフェッショナル、アマチュアを問わず、是非とも手元に置いておきたい1冊である。この大著に、編著者30数年の研究成果とピアノ・デュオへの想いが込められている。ピアノ・デュオ関連書としては、何物にも代えられない事典である。