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ケアの社会学―臨床現場との対話

価格: ¥2,730
カテゴリ: 単行本
ブランド: 勁草書房
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臨床現場のヒューマン・サービス(キュアとケア)は、図書館にも相通ずる ★★★★★
図書館特論のレポート課題である「司書の専門性」を調べている内に、本書に辿り着いた。
三井氏に依れば、「1960年代の専門職の定義は、1)専門的知識・技術を有していること、2)専門職倫理を有していること、3)専門職団体の存在であること」であり、「これらは古典的専門職と呼ばれる医師や弁護士などをモデルにして、それらの職業的特徴を概念化したもの」だと言う。
図書司書で議論されている司書の専門性もこれと同じである。その上で、国家試験や修士・博士課程を導入した上級司書の制度化を必要とする意見が出ている。しかし、いつも疑問に思うのは司書の専門性が必要とされる利用者のニーズは何かという点である。そこが曖昧なままでは、医者や弁護士を必要とする患者や被告のような弱者ではない普通の国民(図書館利用者)に、上級司書の制度化に税金を投ずる必要性を理解させることはできない。
そんな時に本書を読み、引用されたフリードソンの“保健医療サービスというもの、あるいはおしなべてヒューマン・サービスというものは、多様な管理と多様な患者という問題に対応できるように組織されなければならない。私はこのことを自明とみなしている。(p.60)”という言葉の「管理」と「患者」を「情報」と「利用者」に置き換えれば、そのまま図書館に当てはまることに気づいた。
本書は三井氏の博士論文がベースなので、難解な言葉や表現が多い。しかし、普通の言葉で結論を要約すれば、「心身に関わる個人の本質的なニーズ(それは本人も気づいていない潜在的ニーズであることが多い)に対応するには、外面的な身体を治療(キュア)する(スペシャリストとしての)専門性と内面的な心情に気配り(ケア)する(ジェネラリストとしての)専門性の協力が不可欠である。」と述べている。
これを図書司書に当てはめれば、「情報に関わる個人の本質的なニーズに対応するには、外面的な情報を提供する(スペシャリストとしての)専門性と内面的な願望に気配りする(ジェネラリストとしての)専門性の協力が不可欠である。」と変換できそうである。