「シャケというものは、アイヌがつくったものではない。もちろんキツネが、つくったものでもない。神さまがつくったのだ。それをアイヌやクマやおれたちキツネが、なかよくわけあってたべられるように、いしかり川のピピリノエクル(男の神)とピピリノエマツ(女の神)というふたりの神さまが、川をのぼるシャケのかずをきめているのだ。」とキツネが、人間に目に涙を浮かべて哀しそうに言う。このときのキツネの言葉と絵がとても心に残りました。