また各ページに最低1つは映画の紹介とその映画の写真が付属されているため、ひたすらアルファベットを詰め込んだような退屈さは皆無です。ベルイマンやフェリーニから「カサブランカ」や「市民ケーン」まで、スピルバーグもあれば「ロボコップ」や「トイ・ストーリー」も、さらに小津安二郎やマイケル・ウォンターボトムまで、ありとあらゆる方向から片寄りなく映画界を総じて見つめてこそ見えてくる、映画鑑賞家たちの精神統計学、映画製作者たちのカテゴライズ。このぐらいしっかり観ててくれるファンがいると思うと、映画制作陣も熱が入ることでしょう。
結局この本を読んで映画の見方が変わるとか、そういうことはないと思いますが、映画の楽しみ方の幅が広がることは間違いないでしょう。また今まで何気なく使っていたが、その意味を明確に把握していなかった映画用語についての説明なんかも映画を理解する上で重宝だと思います。映画好きで英語の分かる方にはお楽しみな一冊です。ページ数は500数十ページですが、写真が多いし、字も大きいし、書いてあることもそんなに難しくないため、まあ10日もあれば読めるでしょう。好き者はどうぞ!