普通の文学史
★★★☆☆
ボルヘスが書いている箇所は150ページ弱です。残りは訳者解説等です。
しかも1ページあたり12行ほどしかありません。
そこにベオウルフからフォースターの作品まで、
つまり1000年以上を詰め込んでいるので、ディケンズですら3ページ程度の紹介です。
しかも、わかりきった伝記的な説明に結構ページをさいています。
有名な小説家、詩人である大作家が書いたイギリス文学史の本である
というだけの理由で買うときっと後悔するかと。
たんにイギリス文学史に興味があるだけの人は、値段的にも他の有名な本の方がよいと思います。
とはいってもミルトンよりも、同時代人のトマス・ブラウンやジョン・ダンの方を高く評価していたり、
なるほどなと納得させられることも多かった。
あのボルヘスが書いた本だと、期待しすぎると肩すかしをくらうかもしれません。