インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

月に繭 地には果実〈上〉 (幻冬舎文庫)

価格: ¥680
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
Amazon.co.jpで確認
どうでもいいことばかりで恐縮ですが ★★★★☆
福井作品では異色(どこが?)の作品、やっと読めました。
 手塚治虫作品のように、同じキャラクターが役柄や名前をを変えて登場するいつもの内容とは違って、他の作品には見られなかったタイプの人たちが存分に楽しませてくれました。
 人間らしい感情を過剰な自制心で、或いは過酷な訓練によって消去したいつもの主人公ではなく、そうした連中と同等の才能と技に恵まれながらも、あくまでイノセントな魂を貫き通すロラン。

でも一番のお気に入りはソシエちゃん。あんなタイプの子と、一緒にサークル活動していて、お互いに想う気持ちがわかっていて、でも傷つけたり傷ついたりするのが怖くていつも一定の距離を保ちながら、徒に数年間を過ごして、それぞれの都合で別れてしまった経験が、必要以上に感情移入させてしまいました。Mちゃん、どうしてる?(ToT)/‾‾‾

上中下すべてに解説がはいっているのも珍しい。
文庫の解説が提灯持ちの役割しか果たさなくなって久しいが、内容はともかく、このように、作品解説の本来の役割を自覚した上での解説は貴重な存在です。
 昔の文庫の解説には、「この作品は作者も認める駄作である」とか、「そもそもこの作者は小説家ではない」とか、すごい辛口の批評があったものです。因みに、この凄まじい批評をされた二つの作品は、共にベストセラーにしてロングセラーの、著名な作家による作品でした。

それはさておき、この作品のイメージ、ガンダムというより、ナウシカやラピュタに近いものを感じたのはあっしだけですかね?
単に時代背景や風景の描写から来るものではなく、人物のタイプが特に。

福井作品は演歌だとか浪花節だとか、したり顔で書き込む輩が多いようですが。
 演歌だという人は、フォークソングと演歌の区別もつかない音痴だし、浪花節云云とのたまう連中は、おそらく浪花節を聞いたことも無いに違いない。むかつく。許せない。







秀作と呼べるアナザーストーリー ★★★★★
TV版∀ガンダムを見て感動し、更に理解を深めるべく手にした、
この福井晴敏版∀ガンダム「月に繭 地には果実」は、
当初の理解を深めるという枠を越えて、
TV版とストーリー展開が異なりながら、TV版より秀逸ではないかと驚嘆した。
作風を簡単に例えるならば、
富野作品のファンならご存知の方も多いと思うが、黒富野と呼ばれる作風、
戦争が極めて現実的な視点 < 無慈悲であり、残酷であり、無力であり、
傲慢であり、愚行であるが・・・ある意味、人間らしいエゴ >
その性質<黒富野>が、よく描かれていると思える。
過去の作品に当たる節でもある。つまりTV版と抱く印象は似ても似つかない。
 更にキャラクターに関する感想として、
飛躍した超科学、非現実といった、一種の「SF」でありながら、
TV版より、多面的でありながら普遍的に捉えられた人心の性質は
ロラン、ディアナ、キエル、その他登場人物だけでなく、
現実のいつの時代、どこの世界の人間全てに当てはまる。
その人間的な性格は、苦惨であり醜くありながらも共感でき、
キャラクターを越えて、真に人間らしいと思える。

間違いなく、「∀ガンダム」の可能性と価値を深めた秀逸な作品である。
もちろん、それは基底にTV版がある事を忘れてはいけない。
私にもトキが見えました! ★★★★★
「ガンダム、何でそんなに夢中なの?」
男性諸氏にそう聞くと、雨あられのように降り注ぐ専門用語の数々。
語られれば語られるほど、私の心はドン引き。

私も作者つながりで本書を手に取ったクチですが、そんな非ガンダムな私が、この本のお陰で、なんと人様にガンダムを語れるようになりました!

これは語りたい。
語りたくなる男性の気持ちがわかります。モビルスーツから人の闘争本能から、果ては生命の原初と終末まで際限なく語り尽くしたい。
読んで、楽しんで、考えさせられる、20年以上続いたガンダムシリーズの永遠のガイドブックたりえます。
福井さんのガンダム人生、しかと真正面に受け取りましたよ!
ファンが求める富野作品を、福井氏が見事に具現 ★★★★★
 TVアニメ、ターンAガンダムのノベライズ。
 TVアニメを見ていないので、比較は出来ないのだが、アニメ版を見ていなくても十分楽しむことができる独立した作品になっているようだ。

 ストーリーは、イスラエル建国に端を発する中東戦争をベースにしており、これにかぐや姫の物語のエッセンスを織り交ぜながら物語は進行していく。

 一年戦争から2000年、地上の人類はかつて宇宙を舞台に戦争が行われてこと、また、かつての同胞が文明を維持したまま、月に居住していることを忘却していた。
 西暦2345年、月の人類ムーン・レティスは、約束の地である地上の領有権を主張し、帰還作戦を武力をもって強行した。一方、突然の来襲者に対抗を余儀なくされた地上の人類は、かつての人類の遺跡であるモビルースーツを駆り、戦端を開いた。

 この、一見、ガンダムとは相容れない、スペースオペラチックな物語を、ニュータイプと絡めて福井氏は見事にガンダム的にまとめている。また、見方を変えれば、福井氏的な戦争論の物語と読むことができ、福井ファンも楽しむことができるよう配慮されている。

 特筆すべきは、全体からあふれ出す、ガンダム並びに、富野由悠季氏へのリスペクト。福井氏と同世代のガンダムファンとしては、「これが見たかった」という感激に、ひたすら打ちひしがれる。イデオン(あるいは、Z、逆襲のシャア、閃光のハサウェイ、F91あたり)を最後に見ることが出来なかくなった、ファンが求める富野作品を、福井氏が見事に、より精錬された形で、富野氏以上に富野的に具現化している。
 30代のガンダムファン必読の書といって、いいだろう。

 あと一つ、この作品が富野氏のプロットを基に書かれていることに注目したい。
 あるいは病んでいるともされる富野氏だが、もし、これだけのプロットを書く力が彼に残っているのであれば、ぜひ、もう一度、ガンダムを超える素晴らしい作品を世に送り出してもらいたいと、願ってやまない。

福井晴敏さんが描く「ガンダム」ワールド ★★★★★
 原案、富野由悠季とはなっているものの、まさにベースとしての原案だけ(詳しくは本書の解説に明記されています)で、これは間違い無く、福井晴敏さんのSF大河小説。そこにうまい具合に「ガンダム」を組み入れており、ガンダム世代には、おもわずニヤリとするシーンも多多あり、また従来の福井ファンの期待も裏切らない、著者独特の延々と続く思想論(多少くどい。「亡国のイージス」「終戦のローレライ」等と同じ文体。彼の面白さが判るのは、このくどさを乗り越えたときなのだが・・笑)を面白く感じるファンならなおさら楽しめるでしょう。
 (上)巻は二千年の時を越え地球に帰還しようとするムーンレィスの侵攻(!? 何と言えばいいのかな)が描かれています。後半はなんとも「かぐや姫」のようなエピソードを盛り込んで、(中)巻へとつないでいます。
 TVアニメ版の「ターンA」は少し目にしたとき余りに面白く無さそうだったので敬遠(最近のアニメは大人が楽しめる作風が少なくなりました)。そんな人は多いと思いますが、はっきり言ってこれは別物のように面白いです。イメージで敬遠している人は損しますよ。
 ガンダムファンでもなく、福井ファンでもない人でも充分に楽しめる作品だと思います。(ただしSF小説が嫌いならだめですよ。笑)