赤ちゃんの木に話しかける声と、それに答えるお母さんの木の声が聞こえてくる
★★★★★
かえでとかばのきともみのきの、赤ちゃんの木(苗)と、大木になったお母さんの木が、高森登志夫さんの、写実的なのに温かみのある絵で美しく描かれています。
作者・神沢さんの、赤ちゃんの木に話しかける言葉は深い愛情にあふれ、今にも聞こえてきそうなほど。そして子どもは、その小さい木や虫や小鳥がどこに書かれているのかを、ぺージをじっくり見て、探す仕掛けになっています。
季節がかわると、かえでとかばのきは色づき、常緑のもみのきは白い雪をかぶるということにも、久しぶりに気づかされました。身近な木なので、今度お散歩にいったとき、探してみたいと思います。
けっしてけっしてお勉強の本ではありませんが、自然への興味を刺激し、季節の巡り、時間というものの偉大さをそっと教えてくれる、美しいすばらしい本です。