折紙の世界に触れる導入書
★★★★☆
かつて見たこともなかった折り紙をテーマにした少女漫画である。折紙歴16年の内気で地味な高校一年生の少年(生まれた時から?)が、折紙をきっかけにして、個性的な同級生達との人間関係を模索しながら深めていく友情物語であり、折紙という文科系の遊びを、全国大会を目標に体育会系的ノリにまで高めた熱い青春物語でもある。全編を通してふんだんに盛り込まれているギャグは、バカバカしくもあり、微笑ましくもあり、時にそのアイディアの発露に思わずあんぐり口を開けてニヤリとさせられてしまい、読後感はすっきりと一度で何通りもの気分を味わえて実に楽しい。
膝の故障で陸上を断念せざるを得なくなった、スポーツバカの宮本君対学年一秀才モテ男だがストイックな武士の心を持つ布施君という、真逆の存在の衝突も、物語が進むにつれてお互いの異なる長所を理解し、認め合うようになり、繋ぎ役としての主人公、義経の存在も非常に大きく頼もしい。
・・・と真面目に感想を書いてしまったが、基本はギャグマンガである。
バカバカしいだけのギャグマンガ以上の何かを求める人にはお勧めしたい。