夢のはなしをききましょう。
★★★★★
マト・リョー・シカの三姉妹が月夜の晩に出会う奇跡。
ロマンティックで、愛らしいお話。
魔法のことばがこれまた愛嬌があって、まねして言いたくなる。
明るい色づかいの絵が、秋の気配をぐんぐん伝えてくるよ。
お月さまがかけらを降らせるシーンは幻想的で美しい。
いい音のする「なないろに かがやく 月のかけら」を
ひとり一つしか手にしなかった三人を見て、私の想像していたのとは
違う方へ物語が動いていくことに、驚いた。
(自分が俗物であることが露見して、恥ずかしい)
その夜のできごとは、ほんとうにすばらしく清らかなお話で、
こんな楽しみのために、月のかけらを一つだけ持ち帰ったのかと
ため息がでる。