繊細なる叙情美に涙
★★★★★
ドイツのプログレバンド、シルヴァンのアルバム。2009作
RPWLとともにドイツの薄暗系シンフォとしては双璧というべきこのバンド、
本作ももの悲しいピアノや、美しいシンセとメロウなギターで聴かせる
しっとりと叙情的な作品だ。ヴォーカルの歌唱は悲しみの情緒をたたえつつ
UKロック的でもあるマイルドな質感と、ときに激しいまでの感情を表現している。
シンフォニック/プログレ的な要素とともに、モダンロックとしてのエッジの付いたアレンジに
このバンドのバランス感とセンスを感じる。歌と演奏の濃密さでは前作以上の出来。
ラストの14分の大曲も含めて、繊細さとドラマティックさがかみ合った見事な傑作だ。