数学史を教えるんじゃない。数学を教えるんだ。
★★★★★
タイトルから見て、生徒に数学史そのものを教えるのかと思った。
しかし、本書は数学史を一つのネタにして、生徒の興味をひきつける。
また、理解を深める一助とすべく、数学史のエピソードを用いるのだ。
中学生の数学授業はとかく問題演習に偏りがちだ。
それがよけいに数学嫌いを生んでいるような気がする。
本書のように、数学が単なる数字や図形の操作に終始するわけではないということ、また、これまで多くの偉人が今日の数学を形作ってきたということ、を伝える授業は非常に魅力的だし、示唆に富んでいる。
エピソード記憶というものがあるが、数学授業でもエピソード記憶の効果的な活用を検討することができるのではないか、と希望を感じた。