愚かなる大衆
★★★★★
この漫画は人間の負の面をあらわにしている。
白鳥は病床の首相の遺言を捏造して総裁選の流れを完全に変えてしまった(これは、かつて小渕首相が倒れた際、当時官房長官だった青木幹雄が、意識不明なはずの首相から指名されたとして首相代理に就任し、いわゆる五人組の話し合いで森内閣を作った出来事を原型にしていると思われる)。
これによって白鳥は貰える筈だった環境大臣のポストを失った。その代わりに得たのは新首相をあごで使える力、金なる木、それと国民の人気である。
目先の利益(大臣の地位)に飛び付かなかった彼を、大衆は真面目だ、欲がない、清廉潔白だと褒めたたえる。騙されているとは気付かずに。
それにしても無邪気に白鳥を応援している大衆の愚かな様を見ていると、白鳥の野望通り日本が破滅してしまうような展開になってもいいなと思うようになる。