国際関係史と政治史の対話
★★★★★
君塚氏の最新作は、従来より、対象を広げた国際関係に関するものである。
相変わらず、平易な文章の中に深い学識と「グローバルヒストリー」的視点がちりばめられている。
聖バーソロミューの大虐殺の国際的意義、ウイーン体制の再評価などがその好例である。
通常の概説書よりも深い内容の記述がかなりあるので、国際政治史の専攻者だけでなく、西洋史に関心を持つもの、高校の世界史教師などにとっても極めて有益である。
ただ、ヨーロッパと非ヨーロッパ社会の経済力の比較だけでなく、ヨーロッパ内部の、人口、経済、軍事に関する簡単な統計があれば、
さらにわかりやすくなったと思われる。