ヒューマンドラマ
★★★☆☆
トレインミステリーの中編集だけど、ひごろの時刻表を使ったアリバイ工作とかではなくて、ヒューマニズムを示したような作品集です。「余部橋梁310メートルの死」などは、実は、自分は余部橋梁の近場に住んでますので、余計に感慨深いものを感じてしまいました。真相は、たいしたこと無かったけど。「愛と死の飯田線」がメインディッシュではないでしょうかね。これこそ人情ヒューマンドラマという作りでした。主役の男が、電車で出会った娘2人のアリバイ証言をしてやるが、あまりにもこの男が哀しい・・。この気持ち、分かるな・・・。そしてなによりも、ラストでこの男が受けた仕打ちが痛い。報われなさすぎでしゅよ。男として、これは、白新であり、そして怒涛です。