４曲目―中世のお姫様が恋人を想うせつない歌かー？というような印象で歌詞カードを見てみたら、“ああ、なんてコーヒーはおいしいんでしょう。　千回のキスよりも素敵―”と、書いてありました。　ギャグ狙ってんの？と、思わず吹き出してしまいましたが、もともと喜劇につけられた音楽なので、納得。　楽しい小曲がいっぱい入っている小粋なディスクです。　前述の４曲目以外にも素敵な８曲目や、小規模ながらいかにもバッハらしい重唱が見事な１０曲目。　知らずに聴けばバッハとは思えない2曲目も楽しい。　もう一方の“結婚カンタータ”ですが、これは本当に全編名曲のオンパレード。　私が特に気に入ったのは、教会音楽並みの静謐さと深みを感じさせる15曲目と、オーボエとの掛け合いが美しい17曲目あたりでしょうか。　いずれの曲もエリー・アメリングのソプラノがすばらしいと思います。　

とかく、渋くて荘重な宗教音楽ばかり書いていたという印象の強いバッハなのですが、これを聴けば日常生活における彼の一面がぐっと身近になること請け合いのアルバムです。　是非どうぞ。