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履き忘れたもう片方の靴 (河出文庫)

価格: ¥525
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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やっぱりホラー ★★★★☆
 性的な調教も、肉体を改造をされることも唯々諾々と受け入れる、意志を持たない意志をもつ少年。この主人公の名前はどうして「ヒカル」なのかなあ、とずっと考えた。
 他人には全く輝きの見えない人生を、心の中に片方の履き忘れた靴だけを抱えて生きるヒカル。ヒカルの輝きを求めて人々は群がり貪るけれど、ヒカル自身は自分の光を自分では享受できない。だから彼の名前はヒカルなんだな、と何度も読むうちにそう思う。ああ、大石氏のホラーはこの小説から始まっていたんだ。
 欲望を持たないヒカルを誰も満たすことはできないし、ブラックホールようながらんどうのヒカルに満たされることもない。愛でも金でも暴力でも陵辱でもヒカルの心を動かせない。
 片足だけ靴を履いて、人生をいびつに歩き続けるヒカルの裸足に靴を履かせてやることなど、できもしない。
 とても哀しくて怖い、履き忘れたもう片方の靴──
靴はお揃いじゃなきゃ!? ★★★★☆
『履き忘れたもう片方の靴』です。
作者はホラー作家として有名ですが、本作品がデビュー作ということになります。
文藝賞受賞作ですから、純文学作品……ということになりそうなのですが。
内容はと言うと、延々と性描写が続きます。主人公は男で、女と絡む場面もありますが、同じくらい、男と絡む場面もあります。ただ、エロが目的ではないので、興奮するようなエロさはほとんどありません。
むしろ、とても哀しいです。
ということで、官能小説ともいえませんし、純文学といっていいのかもよく分かりませんし、ホラーではなさそうですが、どのジャンルともつかない作品です。

ケモノは裸になりたがるものですが、同様に人間というのは、ごく一部を除けば主人公のように奴隷になりたがる生き物です。何でも「いいよ」と簡単に約束してしまいます。
唯々諾々と肉体改造を受け入れ、完璧なシーメールとなって……
物悲しい雰囲気を味わう作品、ということで★4です。
らしさ ★★☆☆☆
読後の私見。
私にはこの小説は三流エロ同性愛小説か純文学小説か、
最後まで判断がつかなかった。
筆者自身の幼年期の経験を、
小説の主人公に重ねる手法は、
今や多くの小説や映画で使われているありふれた手法だが、
大石さんらしい感じがしていいと思った。

この小説で何より戦慄したのは、
本編ではなくあとがきでもなく解説だった。
この解説を書いた人はだいぶキているとおもう。
かなり危ない方向にイっており不安を覚えた。
本編の解説はうまい人が書けばそれこそとても有用だが、
ターヘーが書けば小説を台無しにするだけの目障りな存在に感じる。

無味無臭 ★★☆☆☆
と言った感じです。筆者の作品はほとんど読んでいますが、惰性でページをめくったのはこの作品がはじめて。デビュー当時の作品と知り納得。
のちの著者の作品に見られる、独特の色のようなものがうっすら感じられます。
主人公の人物表現にちょっといらいらさせられました。
性描写は下品でもえぐくもないですが、あまり上手とは言えません。
登場人物の性格描写もあいまいで、全体的にぼやけた感じがします。
主人公の心の闇、が今日の作品の特徴の1つだと思うのですが、それも伝わりません。
半端なポルノ小説にさえ思える箇所も。
あえてお勧めはしない作品です。