脳内編集の手間いらず
★★★★★
ルーマンの著作は、読み進んでいくのが大変ッス。
複雑に依存し合った馴染みのない概念群の円環の中にスッと入っていけないっての
もありますが、ある程度馴染んでからでもツライです。
当の記述されるテーマ、従来の社会理論での記述のされ方、その従来的な記述の背景
になっている思想的経緯全般、それに対置されるルーマンの記述、そのルーマンの記
述を説得するためにルーマンが採用した方法、そのルーマン的方法のために摂取され
た(他分野で開発されてきた)考え方・・・などなどなど、それぞれ独立して十分に
難解な複数の論述内容が、たったひとつのパラグラフの中でさえも、複雑に絡み合って
いて、「えーっと、ここはこれ、あそこはあれ・・・あれっ?」などと脳内で色分けして
読まないと、あっというまに論旨を見失います。
というわけで、この講演録。
ルーマンの方法(機能主義的アプローチ)と基本的な発想(差異理論的アプローチ)が、
直截に、まっすぐ陳述されています。
いろんな意味で大助かり♪