氏を慕い、公演などに断続的に運ばせてもらっているものです。その日その日の公演の中身では技やテクニックに比重が置かれているが、今回の著書は、見た目だけではつかみにくい、基本的な考え方、スタンスに比重があると感じた。惰性でなんとなく、行ってきたことも見直して、意義を見出し、泥臭く日々の行いを積み重ねていく。見えないところから正しい芯が通っていて、それに基づく行動が本物（に近い）商品、サービスへと繋がり、引いては充実した人生に至ると思えた。

後継者ならではの親や親族との問題、より儲ける企業体を作るためのノウハウ、後継者としての心構え等内容は多岐にわたる。文体が非常に読みやすく、また内容に生々しい実例が多いため、読んでいても実感がわきやすく550ページの大作でもすらすらと読めてしまう。企業の中で孤立しがちな後継者にとって、他の同じような環境に置かれている後継者達がどのような行動を取っていったのか知るだけでも精神的な安定につながるとも感じた。

自分も後継者として日々色々な問題や悩みがあるが、バイブルとして常に机上においておきたい本。同じ後継者として悩める立場にある方にはぜひ勧めたい。