第一話から感動させられます。短編集といった感じですが、しっかりと伝わってきます。
絵は綺麗というよりは可愛くて、ふんわりとやわらかな曲線には優しさを感じます。コマ割りが巧みで、幾度も読み返す度に味が増すので、一読だけでは物足りないかもしれません。文章も詩的で、心にぐっとくるものがあります。
一応ボーイズラブではありますが、そういったものを抜きにして、ホッと日々の息抜きができるような作品です。

テクノサマタさんの作品はどれも好きなのですが、そのなかでもこのシリーズは別格です。
1，2巻はオムニバスになっていますので、どちらを先に読んでも問題ないです。（世界・自分物がかぶっているものもあります）

私が好きなのは表紙の絵にもなっている作品です。
すごくあたたかい気持ちになれます。そして切ない。
人って見かけとかで判断しちゃだめだよね、やっぱり心だよと思わせてくれる作品です。
不器用な愛情でも愛情が深ければ、ちゃんと伝わるんだよね。

何度読み返しても飽きない良作です。

柔らかい絵、四季や草花などを使ったファンタジー、凄くいいです。
ただ自分的にはボーイズラブ要素が残念。
草の冠の1〜3話は大丈夫ですが、収録されてる読み切りは、男同士のキスまたはキス以上までいってます。

絵も雰囲気も良いので、頼むから女の子にしてくれー。
そして頼むから男同士キスはしないでくれー。

そういう訳で星は真ん中3つ。

かわいい絵柄のため気がつかなかったのですが、表紙は結構グロかったりします。
擬人化を極めた表題作のシリーズは季節、花、死んだ人がみな普通の人として描かれています。

他に、寸止めから行くとこまで行っちゃってるものまでホモ系短編をいくつか収録。
絵がかわいいので中には無理に男の子にしなくてもいいのにと思うものもあります。

表題作の『草の冠星の冠』シリーズ(？)は、
少し切なくて、不器用な優しさに溢れるお話です。
皆不器用に、相手のために頑張ってる…そんな心温まる作品。
そしてその他の作品は不器用で初々しい、初恋を思わせるようなお話が多かったです。
最後のお話も例外ではないんですが、あれだけ他より切ない要素が少し濃かったような気がします。
私は一番好きでしたが。

柔らかくて、切ないお話。
一言では言い表せませんが、とても素敵な作品だと思います。