サンプリングの使い方
★★★★★
落ち込んだ日についこのアルバムを聞いてしまうのは俺だけだろうか?
良薬口に苦しとはこのこと,落ち込んだ日に最も向いていたのはASA-CHANGだった!!!
タイトルにあるとおり,彼らはサンプリングの達人である。特に,1曲目の"花"では,あれだけ豊かな声をもつ原田郁子の声を加工し,「原田郁子 〜亡霊バージョン〜」といった感じに仕上げてしまっている!!!
随所に聞こえるタブラのドライブ感を感じながら,わざとらしいまでのダウナーな世界に酔いしることができる,不朽の名盤である。
きもちわるくて 愛おしく かなしい
★★★★★
イントロから、流麗で死にたくなるようなストリングスがじわりと身体にしみこんでくる。
このストリングスが20秒のペースでずっと続く。これだけでもじっとりとうら寂しいきもちに
なったところで
はなが さいた よ
は、な、が、 はなが、さいたよ
あえて発音を崩したような詩。そしてその詩と完全に同期するタブラの、乾いたような湿ったような響き。
それらが徐々に徐々に激しくなってゆく。しかし耳を荒らされるような感覚はない。悪いものを
吐き出させるような……。やがて激しさがピークに達した頃、曲は終わる。
いきなり宇宙に放り出されたような、あるいはいきなり現世につき返されたような、ぼんやりとした
空虚感が漂う。イントロでの「死にたくなるような」感覚はうっすらとろけて、輪郭のつかめない、
ぼやけた感情……「『花』を聞いたあと」としか言えない気持ちになる。きもちわるくて 愛おしく かなしい。
人種や環境の区別なく、人間の、根源的な、危機感を感じる部分をやんわりと、しかし確実に、
直に掴んでくる。この曲を好きと言う人、嫌いと言う人は真っ二つに別れるだろうけれど、
誰が聞いてもまず「何だこれは!?」と驚くと思う。これだけ音楽がBGMとして大量生産-消費されて
いく中で、そういう、けっして聞き流せない音楽はただそれだけで貴重だと思う。
スカパラのメンバーは在籍・脱退問わず、そのソロ活動や別ユニットが、スカパラファンの間で
語られることも珍しくないが(一番多いのはやはり、茂木欣一のFishmans、川上つよしと彼のムードメイカーズ、
他にも加藤隆志のLOSALIOS、北原・NARGOのSFKUaNK!!など)、ASA-CHANG&巡礼だけがほとんど話題に
上がらないなあ、などと思っていたのだが、何となく納得。これはあんまり、ポッと語れるものでもない。
巡礼トロニクス。
★★★★☆
元スカパラダイスオーケストラのリーダーだったASA-CAHNGのソロ2作目。
スカパラのイメージからは離れすぎてて笑いが起こります。
やっぱり凄いと思うのは表題曲「花」。
ボアダムスのyoshimiやスーパーカーのフルカワミキとかが詩を朗読する声をサンプリングして、タブラのリズムに合わしてギタギタに切り刻んだ上に流麗なストリングスが乗っかって、唯一無二の空間を作り出してくれます。
隣の部屋からこの曲が聞こえてきたらコエーだろうな。
他の曲も昭和の匂いがするものや、彼等なりのロックを感じる曲もある。
ひとつの手法に囚われないところがすごいと思うな。
あとタブラのテクニシャンでもあるU-ZHAANは巡礼トロニクスというなぞの楽器を使いこなすそうです。見てみたい!
CDにはシール付。でもカットされてない。
m-1,3,4,5がお気に入り。
とってもアサクラ
★★★★☆
2001年3月28日リリース。東京スカパラの元リーダーASA-CHANGと、U-ZHAANによるユニットのセカンド・アルバム。
話法と音の作り方がとっても意図的で、一言で言って・・・・『ケイゾク』のアサクラがやっているような錯覚に襲われる音である。(実にあたっているなぁ、この例)。何しろ言葉とか音の持っている根本的なパワーを出し切ろうとしている気がする。
なんかすごくチカラが必要な作品です。
閉鎖的で、すごく広大
★★★★★
「けものがれ…」でこの曲を初めて聴いて、今までにない感覚に怖さを感じた。
しかし、詩にせよ曲にせよこのぶつ切りのポエムにせよ、素晴らしい要素で構成されたこの曲に文句のつけようなど無く、それが余計にこの曲を印象づけた。
こんなものがあるのかと、今までの自分の感性なんか陳腐に感じる曲。
不気味でたまらないのに悪意がまるでなくて、何故だか何度も聴きたくなる。