濃密な一冊
★★★★★
「チームの生成と開発」というやや珍しいタイトルに惹かれての購入でしたが、想像以上の内容。知識論の紹介やエピソード紹介を交えつつ、チームがどのように発生し変化するか、チームで活動するということはどういうことかを見事に表現しています。分かりやすさ重視とばかりにイラストばかりの同種テーマの書籍とは明らかに密度が異なり満足感がありました。また、他のレビュワーの方も言及されていますが、人はどう働くべきか?というようなテーマを奥底に感じることができ(筆者が哲学科卒だからだろうか)それも不思議と心地よいです。
う〜ん深い!
★★★★★
古い本かと思ったら出たばっかりだった。最初、開いてみて、字ばっかりだったので、うわって思ったが、少し読んでみたら、一つ一つの文が短くて読みやすい。「???」って思うとタイムリーに事例が出てくる。スタイルが独特!上手く言えないけど尾を引く感じ。
ユニーク、かつ実戦的な一冊
★★★★★
ここ最近読んだリーダーシップ、組織活性化に関する本のなかでは、久々に納得感のある内容だった。この分野の書物にしては、文体、読者との距離感、問題へのアプローチ・視点・・・いずれもユニーク。対象へのアプローチは、まるで巨大なコンサートホールをライブ中継する際に、何十台ものカメラを駆使して映し出す・・・そんなイメージをもった。しかも、全体を多眼的に捉えるだけでなく、個々の問題についての考察が深く、根底にある基点にブレがない。それは『人間』そのものへの著者の洞察の深さであり、ゆるぎない哲学=人間観の反映なのだろうと感じた。
「人間は関係し、影響し合う存在である・・・人は『足し算、引き算では測れない存在』なのだ」(「まえがき」より抜粋)。
ともすれば難しくなりがちなテーマを様々な事例や比喩を用いながら平易な文章で綴っており、また全体の構成にも工夫がなされているので一気に読むことができる。最近の著作に今一つ納得感を得られない方には、一読をお勧めする。
コッターの「リーダーシップ論」以来の爽快感
★★★★★
ジョン・コッターの「リーダーシップ論」以来、自分にとってもっとも大きな発見があった一冊。
「チーム」と「グループ」を従来よりさらに踏み込んだ視点で分類し、その生成に必要な手順やスキル、マインドを具体的かつ包括的に示している。
コッターの「リーダシップ」と「マネジメント」を明確に区別する概念にはじめて触れたときに似た爽快感と、実践の難しさに対する困惑を同時に感じた。しかしその困惑は、いかにして「リアル・チーム」をつくるかが極めて具体的かつ多様に示されていることからくる。最近の「お手軽な実践」が売りのビジネス書とは一線を画す書籍と感じた。
しかしなぜか私がこの本から受け取ったメッセージは「人間性の復活」である。人が職場で自分の「弱み」に引け目を感じてびくびくしたり、「弱み」を隠すために逆に周囲を攻撃したり。そんな必要がなくなり、自分が自分の「強み」を活かし、つまり自分らしくやることでチームの成果に貢献できる。そんなチームがあったら素晴らしい。これが本当に実現すれば、これほどやりがいを感じられることはないと思った。