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高峰秀子の捨てられない荷物 (文春文庫)

価格: ¥750
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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銀幕の高峰秀子の内面を知る ★★★★★
 55歳の男です。高峰秀子は僕の母親世代の女優で、リアルタイムで映画を見た記憶はありませんが、
原節子と並び、日本を代表する「大女優」といえます。表舞台から去ったという点も共通しています。
原節子については近況を知ることはできません。でも、高峰秀子は斎藤明美という「存在」を通じて
近況も、銀幕でのあのすばらしい「演技」の本質を知ることができます。それが、この「高峰秀子の
捨てられない荷物」といえます。単行本は平成13年、僕は21年2刷の文庫文春版を22年3月に
読み終えたばかりです。この本に出会って、高峰秀子のファンになってしまいました。今、DVDやその他の
高峰秀子のエッセイなどを見たり、読んだりしています。「捨てられない荷物」を読み、映画の高峰秀子の
輝きが増しています。そして、高峰秀子の「潔さ」に感銘し、自分もそうありたいと願うようになりました。
読んでも読まなくても ★★★☆☆
この本は性格上「わたしの渡世日記・その後」という位置づけになるのだろうが、別に読まないのであればそれでもいい、あの本はあそこで完結しているのだから。読んでみるとすれば巻末の「ひとこと」と題した高峰秀子の短文と夫・松山善三氏撮影による高峰の近影だろうか。

本の前半は「わたしの渡世日記」の内容を補足的に説明しながら、著者と松山・高峰夫妻との関わりを綴ったもので、後半は養母・志げの引取りを巡る親族間で起きた裁判沙汰の件と松山・高峰夫妻自身について書かれてある。著者が夫妻を恩人と思い、会えたことが奇跡とまで絶賛している以上、そこに書かれてあることは割り引いて考えなければならない。

記述されていることの大半は誇張がやや含まれているとはいえ本当のことなのだろうが、書かれてないこと、敢えて書かなかったことが多々あるように思える。この本のままだとこの二人は特別な夫婦のようだが、松山・高峰共著の「旅は道づれツタンカーメン 」を読むと、この年代のどこにでもいそうな御夫婦に思えるのだが。

正直後半は読むのがつらかったが、高峰が引き算にてこずっている描写には思わず涙が溢れてきて胸が熱くなったのは告白しておこう。
『私の渡世日記』のファンは必読 ★★★★★
高峰秀子を「母ちゃん」と慕う斉藤明美氏(『週刊文春』の「家の履歴書」でお馴染み)による力作。高峰さんに対するあふれんばかりの愛情に感動。高峰秀子の『私の渡世日記』と合わせて読むことをお薦め。
名作の解説のような・・・ ★★☆☆☆
高峰秀子の名作「わたしの渡世日記」の副読本あるいは補足版とでも言うべき本です。
もっと知りたいファン心理で読んでしまいましたが、他の評価にもあった通り、本人自身が書いたものを読めば十分であり、同じ本を2度、思い入れと感情が入り過ぎた解説付きで読んだような印象です。エッセイの中で高峰さん自身が率直に綴ったことは、その時点でその表現で整理できたものであり、もっと書けば書けたのにそうしなかった。つまり読み物として抑制と客観性があり、なお十分魅力が伝わってくるものです。

著者と松山ご夫妻との関わりが述べられている中で、かつて高峰さんの親戚がお金をむしり取っていくように、著者がお金の変わりに高峰さんの心を奪い取っていくような相当に負担をかけた出来事が繰り返し出てきます。自分も彼らと変わらないことをしていたと著者自身述懐しています。
一度書かれた本を、それはこういう事だったと、証拠をあげて詳細に論じていくのは、皮肉な言い方をすれば結局は彼女をまた利用しているような気分にさせます。そして読んでいる自分もそれに加担したような後味の悪さを感じてしまいました。

根底に著者の松山夫妻への尊敬・愛情があり、大好きな二人をもっと論じたいという情熱がある。しかもここまで詳細に書くことを許された信頼関係もある。それがわかっていても、できれば別な視点から著者ならではの独自性をもって書いて欲しかった。後半そういう部分が出てきて幾分救われました。
タイトルが意味深 ★★★★☆
高峰秀子という大女優のことは母から聞いたり、山田風太郎のエッセイで知っているだけなのですが(汗)、この本でその愛すべき聡明な人柄を知り、俄然興味がわいてきました。筆者の思い入れがあまりに強すぎて、途中読み進めるのが苦しくなったほど。だって、筆者は高峰夫婦から子供扱いされ、自分を子猫になぞらえているのだが、その時の筆者の年齢は40代・・・ちょっと引きます。ただ、娘の立場になった彼女にしか書けなかった本ではあると思います。
高峰秀子は、幼少期から背負わされた今の時代ではありえない荷物をひとつずつ降ろしていったんだなぁ、とその並大抵ではない人生に頭が下がる思いです。高峰夫婦の生活の描写はとてもイキイキしていて、70代の夫婦とは思えません。こういうふうに年を重ねていけたら理想的ですが、品格も気骨のない昭和生まれにはムリかも・・・