やりますなぁ〜♪
★★★★★
モテない男子の恋愛話としては 絵空事度が異常に高い訳ではなく…
かといって夢や希望が無いわけでもなく…
絶妙なリアル感とドリーム感のバランスを保っていて巧みな作者のセンスが光る
いつもはスポットを浴びることなどない野郎どもの爽やかで胸がちょっぴり熱くなる青春に乾杯♪
等身大非モテ系男子の純情と奮闘が微笑ましい学園ミステリ
★★★★☆
デブの「おれ」こと湧井は、ハカセこと河本
しか部員のいない文芸部に入り浸っている。
湧井は日々、〈空色メモリ〉と名づけたUSBメモリに、他人
には決して読ませられない本音を交えた日記を綴っていた。
そんなある日、文芸部に、地味ながらも不思議な
雰囲気を持つ新入生・野村愛美が入部してくる。
ハカセは、野村に恋してしまうのだが、そもそも彼女は、
冴えない男子二人しかいない部活になぜ入部したのか?
やがて、野村の上履きや靴が盗まれる事件が起き、さらに、
人に読まれたら即破滅の空色メモリまでが盗難に遭い……。
自分が抱えるコンプレックスと折り合いをつけつつ、なんとか前向きに学校生活を
送っている湧井の等身大な語りがリアル(特に、悪気はないけどデリカシーもない
体育会系男とのやり取りなんかはよく描けています)。自虐的ではあるのですが、
ユーモアが適度に織り交ぜられているため陰鬱さはなく、むしろ爽快ですらあります。
また、ミステリとしての趣向も、きちんと用意されています。
本作のミステリ的な謎はどれもシンプルですが、丁寧な伏線
にもとづく小さなサプライズが、随所に用意されているのです。
そして、何といっても、リドルストーリー的幕切れが秀逸。
読者の中には、“結論”を知りたい向きもあるかもしれません
が、個人的には、本作の結末で、“正解”だったと思います。
東武東上線沿線の方、楽しめます
★★★★☆
今回も、あたたかいホッとできる作品です。
今までの作品同様、男子の目線の描写が上手いです。
創元からの出版ですが、ミステリ風味は控えめです。
そのかわり、越谷オサム節がきちんと効いていて楽しめます。
ところどころあるトゲがこの人らしくて、とてもいい感じです。
ただ、とても残念なことに今回は音楽なしでした。
本当にこれだけが残念で仕方ありません。
そのため、星を1個減らした評価にしてしまいました。
無理に音楽を入れても、浮いてしまう話だと思いますが
自分は、この人の作品内での音楽の扱い方がなによりの楽しみなので
次作では、ぜひ!音楽が作品の重要な役割を占めるものを読みたいです。
ちょっとだけですが、読者サービスらしきものもあります
柊舎《目指せ、1日1冊!》
★★★★★
●11月新刊●
坂越高校文芸部員はハカセ一人。
おれは部員でもないのに文芸部に入り浸って空色のUSBメモリに面白おかしく日常を綴っている。
そんな文芸部に女子新入生・野村さんが入部してきたのだ!
ハカセがその野村さんに恋をした。だけど彼女には秘密があるみたいで…。
◆メガネのいかにもハカセと、デブで汗っかきという非モテ系男子の恋と友情のまさに青春!という物語です。
面白かった~。ちょっと情けなくもあり、非モテ系を自覚しているだけに不器用で、だからこそ応援したくなる可愛いところがあって…。
カッコいい男の子や、フツーの男の子じゃないところがこの作品を良くしているのかもしれませんね。
そんな男子2人だけでなく、脇役もいいです。
なにげに北畠くんのラスト好きだし、そして一番好きなのはサキちゃんですね。
この娘、いい娘だと思うわ~。
恋愛に青春だけでなく女子の陰湿さとかもあったり、もちろんちょっとミステリもあります。
このラストも好きだけど、その先の桃色メモリも読んでみたいのに~とも思ってしまいますね。