事件史はあれども「ドロボー」史が皆無であることを考えれば、これはこれで貴重な著作なのだが、あくまで読物の域を出ず、喰い足りないことは確かだ。これが社会史研究のような本格的な領域にいたれば、相当に興味深いと思うのだが。