雰囲気、技巧とも素晴らしい本格的アルバム。
★★★★☆
素晴らしいアルバムである。ビートルズ、ディズニー、サイモンとガーファンクル、その他おなじみの名曲が奏でられていはるが、“クラシックのチェリストがビギナー向けにちょいと作ったポピュラーアルバム”と思ったら大間違い。アレンジとピアノのスタークが、Jazzやコンテポラリーの手法を取り入れて、実にクールなサウンドを作っている。ピアノ、チェロ、パーカッションの3者のみのサウンドはシンプルだが、奥深い広が
りを感じさせ、スケールが大きい。長谷川のチェロも真正面から作品群に取り組んでおり、雰囲気もヴィルチオジティもたっぷり堪能させてくれるのだ。音もたっぷりとしていて、チェロらしい響きが美しい。速いパッセージもいささかも停滞することなく、颯爽と弾き進める。クラシックとJazzとか云々する以前に、「音楽が聞こえる」とはこういうことを言うのだろうと思わせる。是非一度、聴いてみることをお勧めしたい。