物語背景がだめだったら星1つでしたね
★★☆☆☆
一言で言うと「まだまだ未熟」な文章。
アクのある人物たちをまだ生かしきれていないのが
かなり残念です。
読んでいてなぜかいらいらくるのです。
なぜならば構成といい、こちらの頭を
混乱させたいのですかと言いたくなるような文章。
ただ、唯一の救いはアクの強い人物が出ていて
それ相応には面白いこと。
たぶん、
書くジャンルがあっていないのかもしれませんね。
せっかくいい物を持っているのに残念ばかりが残る
作品となってしまいました。
それと内容的に完全に若者向きです。
若者の考えが苦手だという人は
まず読まないほうが身のため。
救いが見えない
★★☆☆☆
不的確な父や母とその親子関係を3編の短編でずるずると描いている。
福祉関係の仕事をしていると、「不適格な親」というのは決して珍しいものではないが、そういった親を単に書き綴ることが何なのかな? と思ってしまいます。
救いが見えないんですよね。ハッピーエンドを望む訳でも、きれい事を言って欲しいわけでもないのですが、かすけた人生を切り取るだけの小説に何が見えるのか最後まで分かりませんでした。
小学生の作文並み
★☆☆☆☆
何が書きたかったのだろうか? 心に打たれるものがなかった。
1作目のドライブイン蒲生は、チンピラの父親を持つ家庭に育った姉弟。
2作目の無花果カレーライスは、精神病の母親を持つ家庭に育った男性。
3作目のジャトーミンは、不倫をしていたと見える父親を持つ家庭に育った兄妹。
彼らが大人になって、自分の親と似かよった過ち、不運、境遇にはまっていく
さまが書かれている。 面白くも、おかしくもない地方の惨めな生活を
ダラダラと綴っただけという感じの本。
こういった じめじめしたフィクションは、買ってまで読みたくない。
リュウグウノツカイ
★★★★☆
短編3作に1つずつ、気になるワードがでてきた。
「かすけた」「無花果」「リュウグウノツカイ」。
「かすけた」なんてイマドキ言わないでしょう。
それがすごく新鮮で。気に入った。
「無花果」は、丁度これを読んだ頃、桃井かおりさんの映画とかが公開されていて、
不思議なこの果実に興味をもっていた。無花果の花って、見えないんだね。
「リュウグウノツカイ」は、以前ちょっとハマっていた時期があったので、
冒頭でかなり惹きつけられた。
ほとんど生態が明らかになっていないこの魚の登場で、
物語まで神秘的に。
わたしには分からない世界ばかりが描かれていたけれど、
登場する人物の考え方になぜか親近感が沸いてきて、
最後までよんでしまった。
たかみさんって、女の人かとおもってたら、違うんだね。。
家族の絶対性
★★★☆☆
3編とも「親」を馬鹿にして育った30前後の人たちの物語です。
生活水準が低く、下流に位置づけられる環境で育ち、
尊敬できない親を持った人間はこんな大人になるという見本を
見せられてるようなかんじ。
でもこんな風に育った彼らをかわいそうとか、
軽蔑するとかはまったく思えなくて、
むしろちょっとだけ共感すら覚える。
家族ってどんなに嫌っても、絶対他人にはなれないもの。
その血と絆の果てしなさを考えると、
「ドライブイン蒲生」の姉があんなに嫌っていた父の死後に
父のように刺青を入れるエピソードなんて悲しいほどでした。
育ちというものは無意識であっても
ずっと付きまとうものなのでしょうか・・・。