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先崎学の浮いたり沈んだり (文春文庫)

価格: ¥129
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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自在の筆筋 ★★★★★
この本を手に入れたとき、風邪をひいていた。
しかし、風邪? 関係ないわーアホかーってくらいおもしろかったので、微熱との戦いの最中、ゆっくり手に取り読書する時間は、むしろ幸せですらあった。おちゃらけていても時に哀しく、時に辛い。先崎さんは、その風貌もあいまってユニークな棋士なのは間違いないのだろうが、そこはやはりプロ棋士。物事に対する姿勢が根本のところでやはり明快。真摯っていうか、やっぱり真剣に真面目なんだと思うな。誇りを持った真面目さ。だから将棋も強くなるし、小博打にもハマルのだ。あと、何でこんなに文才があるんだと訝しがっていたら、この10年寝る前に1時間の読書を欠かしたことがないときた。そうか。深く勝負の世界に生き、しかも本まで読むのか。小博打をたしなみ、広く世間までみるのか。参った。先崎さんの魅力に、ちょっとノックアウトである。
オススメの爽快なエッセイですよ ★★★★★
週刊文春に連載されている時から、気に入って読んでいました。
先崎学さんのエッセイは痛快ですし、それでいて筆の運びは、指し手と同様とても華麗です。
私は、根っからの将棋ファンで、先崎さんが中学生の頃(米長永世棋聖の内弟子の頃)から注目していました。

先崎さんの生き方が破天荒で、またそれを取り巻く人々が魅力的で爽快なエピソードが満載されている本ですね。

筆者の先崎学さんは、将棋棋士8段で、20歳の頃にNHK杯で優勝するほど、才能に恵まれた方です。当方のような将棋ファンにとっては、「有名人」でもあります。

将棋を知らない方が読まれてもその面白さは満喫できると思います。とにかく、酒と麻雀と競輪と競馬というギャンブルに首までとっぷり浸かっている筆者の日常のすべてが、昔の「勝負師」を彷彿とさせてくれます。その交遊録といいますか、周りの人物像の描き方もとても味があり、観察力と表現力には卓越したものを感じます。

プロのエッセイストよりも、面白く巧みな文章を書く人はあまりいませんが、本業の活躍を考えますと驚異的ですね。その読者を飽きさせないサービス精神が文章から漂ってきますし、それでいて、きちっと締めるあたりは、「詰めの鋭さ」を感じさせます。

JT日本たばこ杯で頑張ってください ★★★★☆
先ちゃんの「浮いたり沈んだり」は趣味が囲碁の私にとって「隣の御姉さんの部屋を軽く見る」程度で手に取ったのですが、独特の文章、又”元天才”の悩み等赤裸々に書かれており非常に共感しました。それ以来日曜日午前10時20分と対局は必ず観戦し、JT日本たばこ杯も遠征して出かけています。将棋という日本文化の”おすまし”でない面をチョット漏らして頂きまた非常に興味が湧きました。Demo佐藤”モテ光”君はあっても”オコリ光”君は無いでしょう。佐藤先生の頬が対局で苦悩に歪みプルプルするのとは又違った”プルプル”なのでしょう。将棋を知らない女性に是非一読のものです。林葉直子さんと一緒に内弟子生活したなんて今なら「お金を払っても」奇特な方もいるはずです。それも米長先生のお宅で・・・。
プロ棋士の日常生活の記述が面白い ★★★★★
先崎学八段の文章は軽妙で、あっという間に最後まで読んでしまいました。プロの棋士は毎日対局しているのかと思っていたら、週の大半は自由時間で、いろいろなことをやっているのですね!順位戦で負けたときのショックについての文章は、やはりプロの勝負師だなと感心しました。花沢九段と芹沢九段の棋戦の記録係りを務めたときのエッセイ「ワンス・アポン・ア・タイム」も心温まりました。非常に好感の持てるエッセイです。
将棋界の名エッセイスト ★★★★☆
プロ棋士の日常を平易な表現で面白く書き上げている。
週間文春に連載されていたものなので、もちろん小難しい将棋の話しなどは無く、著者の一般人・プロ棋士両方としての日常が子気味良く語られている。
単なるエッセイとしても十分に読めるが、有名な棋士―特に羽生、佐藤など―についてある程度知っていれば、彼らの人間臭い姿にニヤニヤとしながら楽しむことが出来るだろう。

文庫化によって大きさも値段も手軽に。何となく手持ち無沙汰な時にお勧めの一冊。