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産学官連携 大学がつくり出す近未来 イノベーションは地域から

価格: ¥2,000
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日経BP出版センター
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「巨額の研究開発費に対する説明責任を果たす」〜若手研究者に勇気を与える本 ★★★★★
2009年11月に鳩山政権の行政刷新会議が開催した事業仕分けは、仕分け対象の一つとして基礎科学の研究開発費を取り上げた。その後、例えば「スーパーコンピューター」のように、学術界からの反論が起こって話題を集めた。巨額の研究開発費を税金から出してもらうのだから、納税者である国民に巨額の研究開発費を投入する理由の説明が必要になる。例えばスーパーコンピューターによって「ガンの新薬を開発できる」「地震の予知精度が飛躍的に高められる」などの対費用効果を分かりやすく説明することが重要になる。「No.1を目指すのだ。とにかく研究費をよこせ」では納税者の賛同は得られないだろう。

 この点で、本書は「高性能半導体の研究開発は、日本の電機と自動車産業を強化し、さらに新産業興しを可能にするということ」、「裾野分野も含めた関連技術を一つの地域に集約し、和製シリコンバレーを作ることの重要性」を、具体的に平易に説明する。こうした研究開発を10年程度続けると、こんな社会インフラができあがると、具体的な製品やサービスの将来像を提示する。本書は結果的に研究開発費に対する説明責任(アカンタビリティー)を果たしている。大学に勤める研究開発者は説明責任を果たすことの重要性を本書から学びとることができるだろう。

 もし、貴方が研究者で”自分の研究を通して世の中に良い影響を与えたい”、”世の中の将来像を自ら作り出していきたい”、”自分が主役となって事業を興したい”、という野心を持つならば、是非丸山氏の著作を手にとって欲しい。丸山氏の本はきっとそんな君の背中を押してくれるだろう。実用化手前の”死の谷”を前にして足をすくませている必要はない。大学のシーズ研究は何度でもやり直せるのだ。そして何度でも自分の研究を世に問え。この本は多くの大学若手研究者に勇気を与えてくれるだろう。

地域振興の核となる大学 ★★★★★

 私が住む地域の大学は、市民講座などを時々開催し、地域の文化などの場として働いています。同時に、中小企業の相談窓口の役目も果たしていると聞いています。
 本書を読んで驚いたのは、民間企業が新しい事業を興す際に、その起点から大学の教授たちが参加し、自分の研究成果をつぎ込む産学官連携が活発なことでした。現在、地方は厳しい不況にあえいでいます。その中で、市場で高い競争力を持つ製品やサービスを投入する新事業をつくることができれば、本当に「イノベーションは地域から」が実現できると思います。
 福岡県では、産と学と官が互いに協力し合って、イノベーションを起こす活動を本気で続けていることに感心しました。
 私が住む地域でも「イノベーションは地域から」にどう取り組んでいるのか、実態を知りたいと思いました。
21世紀前半、日本はものづくり立国で生き残りをかける ★★★★★
リーマンショック以降の金融不安の影響をもろに受けた日本は、それだけ欧米などの海外市場向けの製品輸出で稼いでいたことを明らかにした。

 今後20年ぐらいは、日本はものノづくり立国によって国際市場で存在価値を発揮していくことになる。その日本にとっての一番の成長戦略は、大学の研究開発をタネに新産業を興していくことが重要であるとの事実が、本書にはちりばめられている。

 本書の特徴は進行中の産学連携の具体例を描いている点にある。ありがちな構想話はほとんど無く、大学の教員と企業の実務者が互いに意見をぶつけ合いながら、研究成果を基に事業化を図る苦労談が具体的に描かれている。

 今後の日本がとるべき真の成長戦略を知りたい者は、本書を読むことを薦めたい。日本の自動車産業と電機産業の二本柱を設計力によって競争力を向上させる提案を読んでもらいたい。
新産業興しの場としてのクラスター ★★★★★
 「知的クラスター」という言葉は、時々、新聞などで見かけることがあったが、あまり気に留めていなかった。しかし、本書を読んで、新進気鋭のやる気のある人々が集まって、新しい事業を始める活性点の場であることを知り、事業支援の“勝手連”が自然に集まってくるとは、たいしたもんだと思った。
 日本が今後も活力ある先進国としての存在であり続けるためには、国際市場に独創的な製品を投入し続けるしか道はない。これを実現するには、大学などから産まれた独創的な研究成果をシーズに新製品を生み出す産学連携が重要になることを知った。福岡県の大学群がこんなに応用開発や事業化に熱心とは思わなかった。
 知的クラスターは日本でいくつも推進されているが、福岡県の知的クラスターがその先頭を走っていることがよく分かった。こんな官ならば、親しくしてもいいと感じた。そして、「知的」であることが力になることも分かった。
あのシステムLISセンターが日本の産業活性化拠点だったとは ★★★★★
 福岡市の百道浜に仕事で時々、行く。福岡タワーが目立つ地域との印象だった。

 バスに乗る時に、JSTイノベーションプラザ福岡の隣に、ビルの上に「LSI」との表示があり、夜になるとLSIが光るなと思っていた。この福岡システムLSI総合開発センターが、「福岡先端システムLSI開発クラスター」の拠点であることを、本書を読んで初めて知った。

 日本の製造業の開発力強化に励むクラスター拠点として、システムLSIを高度に応用する基盤技術をしっかり築いてもらいたい。このビルが「九州の、いや日本の産学官連携活動の中核である」と友人たちに教えたい。

 福岡市は、ヤフードームでは福岡ソフトバンクホークスの選手が野球にしのぎを削る一方、福岡システムLSI総合開発センター では九州大学や九州工業大学、北九州市立大学などの教授が研究開発にしのぎを削っているようだ。

 一見、普通のビルに見えるが、その中では産学官連携の炎が燃えている。今後は、心して前を通過するつもりだ。我々製造業の活性化拠点だからだ。