軽い気持ちでついた嘘が、大切な人たちの運命を大きく狂わせてしまう…。誰の人生にも起こってしまいがちな過ちを、切なすぎるラブストーリーとして結実させたイアン・マキューアンの原作に対し、そのエッセンスを映像でしか表現できない要素を駆使して表現した珠玉作。1930年代のイギリスで、政府官僚の娘セシーリアと、使用人の息子ロビーが想いを募らせ合うが、セシーリアの妹ブライオニーの嫉妬から生まれた些細な嘘によって、ふたりの運命は切り離されてしまう。タイトルにもなっているブライオニーの「つぐない」は、予想もしないかたちで立ち表れ、観る者の心をゆさぶる。
映画ならではの表現テクニックが、随所で効果を発する本作。ひとつの象徴的な出来事が、セシーリア、ブライオニー、それぞれの視点で描かれることで、映像が姉妹の深い思いを代弁していく。キャストの演技にも目を見張る。少女時代のブライオニー役で、純粋ゆえの残酷さを表現したシーアシャ・ローナン、短い出番ながらヴァネッサ・レッドグレイブの張りつめた表情は見事とした言いようがない。さらに際立つのが音楽で、タイプライターの音をイメージしたメロディがブライオニーの心理を語るかのように流れ、アカデミー賞作曲賞も当然と納得させられる。(斉藤博昭)
がっかり…
★★★☆☆
天使のような シアーシャローナンちゃんが途中から、全く別人にバトンタッチ。
がっかり
映画の素晴らしさ、表現手段としての強さを知らしめる傑作
★★★★★
ロビー役のジェームズ・マカヴォイも相当、いい味を出しているが、セシーリア役のキーラ・ナイトレイが何しろ素晴らしい。高嶺の花的な美貌の傲慢女性を表現させたら、もはやなかなか右に出る女優はいないんじゃないだろうか。『ベッカムに恋して』のお転婆少女がよくこんなに、気高い雰囲気を発する女優になったものである。映画自体も非常に質が高く、久しぶりに映画の素晴らしさ、表現手段としての強さを改めて知らしめてくれた傑作である。こういう傑作に出会うと、映画が好きになる。脚本もいい。最後の最後になって、はじめて真実を知らされる。その真実は、ある意味で本当に救いようがないのだが、しかし、常に前向きに将来を信じて生きていた二人の生き様は観る者に大きな感動を与える。
早熟さゆえの大きな過ち
★★★★★
心に深〜く残る哀しい物語でした。
英国のお屋敷に大勢の使用人に
囲まれて育った作家志望の早熟な女の子。
彼女の未熟さから犯してしまった
つぐないきれないほどの大きな過ち。
それをどういう形で償ったか。
DVDで是非見てください。
つぐない [DVD]
ブライオニー、そりゃあんた、勝手すぎ!
★☆☆☆☆
ストーリーとしては我田引水っぽいラストのオチに納得できない。どんなオチなのかはここには書かないけど、わざわざDVDを見るまでの価値のない映画だから、どんなオチなのか無視しよう。小説家の老女になっていたブライオニー、そりゃあんた、勝手すぎ!と思うのは私だけであるまい。戦争の悲惨さは理解できるが、そんなので感動できるか!
で、ロビーを演じているのが、映画「ウォンテッド」、「ラスト・キング・オブ・スコットランド」などで主演していたジェイムズ・マカヴォイだ。相変わらず存在感が薄く、深みがない。この人、どんな映画でも、どの役にも向いていないように見えてしまうんだよなぁ。この映画でも、彼が演じているってことですごく薄く見えてしまうんだもの。
セシーリアを演じているのは・・・、ん? ウィノナ・ライダー? なんだか10歳くらい若くなっちゃったんじゃない? 最近では「スター・トレック」でスポックの母親をやっていたよねぇ。 ・・・と思いながら前半を見ていたところ、途中でウィノナ・ライダーじゃないって気が付いた。随分と十数年前のウィノナ・ライダーに似ているねぇ。正解は、あのキーラ・ナイトレィだ。映画「プライドと偏見」で主演していた姿は美しかったのになぁ。
もひとつ意味がわからなかった・・・。
★☆☆☆☆
主人公のせいで姉とその彼の運命を悲劇のものに変えてしまったのは
わかる。そしてその主人公はその彼に想いを抱いていたのもわかる。
退屈なシーンが多くて、はっきりとした場面やセリフがなかったので
すごい残念。現実なのか空想なのかもわからなかった。