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『地獄の黙示録』撮影全記録 (小学館文庫)

価格: ¥60
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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 闇の奥 ★★★★★
 映画造りの現場の「地獄」を知るには 本書は実に向いている。

 日本の映画は低予算、短期間での製作で 現場の時間の無さ、不眠不休の撮影などは大変な過酷さである点は 以前何かで読んだ。それに対し 「地獄の黙示録」はハリウッドの大予算映画であり 監督もコッポラである。余裕しゃくしゃくで撮影していたのかと思ったら もう どろどろで溜息が出る。これだけで十分映画になれると思った次第である。(そういえば 見ていないが ハートオブダークネスというドキュメンタリー映画があったか?)

 本欄で「ファイナルカット」という マイケルチミノの「天国の門」を扱った本と並び 映画を別の意味で知るには 優れた本である。

 それにしても映画は大好きだが 映画が仕事でなくて良かった。

映画と生活がリンクする瞬間 ★★★★★
女性キャラクターが一気に増えた『特別完全版』の映画を見て、いきなり『地獄の黙示録』が身近に感じられた女性も多いと思うが、これを読めば、『地獄』は、さらに生活のにおいがしてくる。撮影の合間にコッポラ一家が経験したいろいろなイベントが、映画に影響していると分かるのはもちろんのこと、民芸品が好きで、けっこうお茶目な主婦兼母親、エレノア・コッポラ夫人が、南国の楽園で一喜一憂しながら繰り広げる日常は面白い。異文化との触れ合い、移動の手続き、子供の教育問題にまつわる描写には、企業戦士を大黒柱に持つ転勤族の参考にもなるのではという気もしたりして。
葛藤するコッポラ ★★★★☆
完全版となって復活したフランシス・フォード・コッポラ監督作品:「地獄の黙示録」。これはコッポラの妻であるエレノアが、妻として、コッポラの理解者として、一人のアーティストとして、コッポラの子供たちの母として、映画制作に没入して行くコッポラの批判者として、さまざまな立場に立ちながらその撮影記録をまとめたドキュメンタリー。

「地獄の黙示録」を観る上で本書は不要だが、「地獄の黙示録」を知りたいのなら、コッポラの葛藤を知りたいのなら必須の一冊。

葛藤するコッポラ ★★★★☆
完全版となって復活したフランシス・フォード・コッポラ監督作品:「地獄の黙示録」。これはコッポラの妻であるエレノアが、妻として、コッポラの理解者として、一人のアーティストとして、コッポラの子供たちの母として、映画制作に没入して行くコッポラの批判者として、さまざまな立場に立ちながらその撮影記録をまとめたドキュメンタリー。

「地獄の黙示録」を観る上で本書は不要だが、「地獄の黙示録」を知りたいのなら、コッポラの葛藤を知りたいのなら必須の一冊。

地獄の日々 ★★★★★
映画「地獄の黙示緑」の撮影期間中にコッポラ監督の妻が綴った日記だけに、撮影の裏話や苦労話を知ることができるのは勿論、コッポラ夫妻の私生活も垣間見ることができ、興味深い。特に夫に対してアンビバレントな感情を抱くエレノアは、偉大な夫を持った妻の宿命を体現している。偉大な夫を立てる妻でありたいという願いと、自分のキャリアも追求したいという欲求が心の中で攻めぎ合い苦悩するエレノアの姿に、現代女性は深い共感をおぼえるかもしれない。