縮小されすぎ
★★★★☆
1862年にロンドンで開催された万国博覧会の図録、Masterpieces of Industrial Art and Sculpture at the International Exhibition 1862から約200点の図版を採録したもの。
Ⅱ巻は「織物、家具、壁紙」がテーマとなっているが、キャビネット、テーブル、ピアノ、カーペット、ステンドグラス、タイルなどが含まれている。実物がかなり大きなものが多いので、縮尺がきついのが残念。
本書は鑑賞用につくられているため、解説が甘い。美しさに見とれていると、万国博覧会が産業技術の見本市であったことを忘れそうになる。美しいけれども、実用品なのである。そのあたりの混淆・共存が19世紀後半のヨーロッパを特徴づけていることを踏まえて見直してみると、また面白いと思う。
非常に安価なのも嬉しいところ。