In Montreal
価格: ¥2,022
チャーリー・ヘイデンは単なるベーシスト以上の存在であり、その作品にはいつも感心させられるが、本作もまたヘイデンらしい奥の深い作品だ。
1989年のモントリオール・ジャズ祭(カナダ)でヘイデンは、ジェリ・アレンやゴンサロ・ルバルカバなど、8日間、毎日違うメンバーと共演した。それらの演奏は順次CD化されており、これは第6弾となるエグベルト・ジスモンチとのデュオ・ライヴ。ジスモンチはブラジル出身の個性的なギタリスト&ピアニストで、ブラジルの伝統音楽をベースにしたグローバルなサウンドに特徴をみせる。ヘイデンも広範囲な活動で知られる人だけに、両者の共演はジャンルを超越している。ヘイデンのオリジナルは<3><5>の2曲。あとは全部ジスモンチのオリジナルだ。
一言でいって、ピュアなサウンドに心洗われる真摯(しんし)なデュオ。以前ヘイデンがパット・メセニーとのデュオで録音した『ミズーリの空高く』をほうふつとさせる瞬間もある。ともかく、ヘイデンの音楽性の豊かさを印象づける感動的な作品だ。(市川正二)