インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

社会起業家―「よい社会」をつくる人たち (PHP新書)

価格: ¥693
カテゴリ: 新書
ブランド: PHP研究所
Amazon.co.jpで確認
英国・米国・日本の社会起業家の概要の把握に ★★★☆☆
本書は近年注目されている社会起業家というものが、どういうものか発祥の地と言われるイギリスの事例や、
アメリカの事例を通じて、従来の起業家・企業家との違い、公的セクターとの違いを明らかにしながら、
その成り立ちや、社会企業家に共通する資質や特性について抽出している。

社会企業家とは「医療、福祉、教育、環境、文化などの社会サービスを事業として行う人たち」とし、
自立型福祉システムの構築が望まれたイギリスで注目され、今、日本でも注目されている。
英語でSocial Entrepreneur(ソーシャルアントレプレナー)という存在は90年代後半に英国のシンクタンクのデモスが提唱した。

前半ではイギリスの公共・医療・福祉サービスにおける事例が紹介されている。
一人の改革者である女性により閉鎖の危機にあった病院を立ちなおし、エイズケアの最先端病院として復活したマルドメイ病院。
教会が地域の中心になって、多目的センターとなって地域の青少年たちの活動の場となり、犯罪率を低減させた事例。
リバプールの荒廃した住宅地の共同住宅組合による再開発、いずれにも国や市、民間企業も巻き込んだ社会企業家の姿があります。
この事例はバブル以前に作られ、高齢化・老朽化しているニュータウンなどにも参考になるのではないでしょうか。


また、アメリカの事例では、グラスルーツリーダーとしてテキサス州オースティンの地域に新しい産業を生み出すために、
市や商工会、大学、企業が連携した事例。破たんした自治体が地元の有志によって再生した事例(オハイオ州クリーブランド)などが
紹介されている。アメリカの事例で紹介されているものは、地域の産業を新しく転換した事例が多い。

では、起業家・企業人との違いは何か
・分野の違い。社会起業家は医療、福祉、教育、環境、文化などの社会消費を対象にしている。
・主たるステークホルダーが違う。社会起業家の最大のステークホルダーは地域の人々であり、
その日立に快適な社会的サービスを提供することだけを考える。
・関係者の数が違う。社会起業家はオープンな関係を目指しているので、関係者が圧倒的に多い。

しかし、近年、企業の社会的責任なども強く求められるようになってきたり、異業種間や地域との共生も行われていることから、
非常に近い場合も多くなってきている、

最後には日本の事例も多く紹介されており、国のおかれている状況によって社会起業家の役割にも違いがみられるのが面白い。

また、興味深いのはこうした非営利組織のライフサイクルについてのデモスの報告書からの抜粋。
企業の成長と同様、非営利組織においても同様に成長していく。

ステージ1は「寄付による社会資本の獲得期」最初に使命をセットし、パートナーを見つけ、使命を共有できるスタッフを集める
ステージ2は「社会資本投資」期。拡大・成長それ自体がこの段階の目的となる。組織の構造が複雑になるため、
マネジメントにおけるスキルが求められる。この時期の失敗の原因として、使命を拡大しすぎること、財政上の危機、
商業的な活動に偏りすぎるなどのアンバランス、マネジメント負荷の拡大など。
ステージ3は「社会資本の配当」期。組織の成熟期。組織の活動が有効で役に立つものであったことを示す必要がある。

そして、非営利組織において最も難しいのが、この成熟期を迎えたあとである。さらなる成長をしていく上では、
ベンチャーや企業と同様、次の新しいサービスを開発していく必要がある。非営利組織における原動力は使命の進化であり、
新たな使命を絶えず創造していくことが求められるのである。

などなど、2000年の発行と少し古くはなりますが、社会起業家が注目され始めた当初のアメリカ、
イギリスの報告書を取りまとめてあり、日本の事例もいくつか紹介されているなど、社会起業家の概要について把握する上では
参考になると思います。
先読みするための手助けとなる ★★☆☆☆
 この書の定義する社会起業家とは「医療、福祉、教育、環境、文化などの
 社会サービスを事業として行う人たち」のこと。
 バングラディッシュで貧困者層向けの低利融資を行い、
 2006年にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行とムハマド・ユヌス氏は
 その最たるものだろう。

 「来年は社会起業家の時代になる」と経営コンサルタントの
 神田昌典氏は2008年初めに予測している。
 新書として社会起業家を開設するこの本は、これから世界を
 席巻するビジネスモデル、企業を先読みするための手助けとなる一冊。

 なお、現在Amazonのビジネス書コーナーでも
 「ビジネスの視点で社会を変える! 社会起業家特集」として
 特集が組まれている。

(犯罪予防の重要さを説く話の中で、米国の囚人数は現在200万人を
 越えているという情報があり。
 世界中の囚人の4分の1が米国にいるとはさすが大国・・・・・)
社会起業家研究の入門書として有用 ★★★☆☆
本書の大部分はデモスの報告書や他の先行研究の引用と要約で構成されている。どこからどこまでが引用でどこまでが筆者のオリジナルなのかが分かりにくいのが欠点だが、日本のケーススタディは興味を引くし、他の参考文献を読むためのガイドブックとして有用だろう。興味を持ったら、本書で要約されている文献に当たってみるという読み方がいいのではないか。
素晴らしい入門書だと感じた。筆者の他の本も読んでみたくなった。 ★★★★☆
事例をわかりやすく紹介してくれる。
文体や文章自体もとても読みやすくてよい。
社会起業家に興味を持ったら、この本をとっかかりにして、興味を持った事例を深く勉強していくのも、きっとひとつの方法だ。
よい入門書だ。
僕のような素人には、いくつかをのぞいては、初めてみる事例だった。
大学の授業の参考書とかにそのままなりそうな、いい本だった。
アイスクリーム屋ではない ★★★★☆
ニート問題も深刻であるが、彼らは、アイスクリーム屋で働けるといったところで、働かない。他方で、社会起業家として起業するわけでもない。