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「老いる」とはどういうことか (講談社+α文庫)

価格: ¥691
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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智の巨人・河合隼雄先生の「老い」徒然草 ★★★★★
私が心から尊敬する臨床心理学者・河合隼雄先生の老いに関するコラム集(全部で110本)である。
1991年前半の半年間、読売新聞夕刊に連載された記事を再編集したものである。
先生の著作にしては珍しく一気に読めてしまいます(笑)。
先生自身「電車の中でもどこでも開いて、ちょっと目をとおしてみる、と言う事が出来るだろう」と書かれている位ですから(280p)。

但し、各コラムが意味深な言葉に溢れており、後から「じわ〜〜」と来る所がやっぱり凄い。
「老人は何もしないから素晴しい」
「老いて創(はじ)める」
「老いの入り舞」
「いい年だと思います」
「人」を見る医療

巻末(251-273p)には免疫学者・多田富雄さんとの対談も掲載されており、これも実に面白い。
各人が本望なる人生の終焉を迎えるには、それにふさわしい準備と覚悟が必要。
そしてこの短文をひとつのヒントにして、その先は自分で色々考えろと。
先生らしい。
老い、老化、寿命に関心のある全ての方にお勧め致します。
老いるを考えてみる ★★★★★
本書は老人に対するハウ・ツーについて述べるのではなく、「老い」
についてごく短いコラムを書き、読者がそこから「老い」について
それぞれの考えを発展させていただくものにしたい(まえがき)

アイヌの人たちは老人の言うことがだんだんわかりにくくなると、
老人が神の世界に近づいて「神用語」を話すようになり、そのため
一般の人間にはわからなくなると考える、とのこと。
「ぼけはじめたな」と受け止めるより「とうとう神用語を話すよう
になった」と思うのとでは老人に接する態度は随分変わるだろう。
「神用語」という言葉を考えたアイヌの人たちの知恵の深さに我々
も学ぶべきである。(30-「神用語」を話す)

110あるコラムにはグリムの話や臨死体験の話、ヒンドゥー教の
知恵の話など多岐に渡り、実に充実した本であります。