本書の中身は「ベストレビューア」が紹介してくれているので、私は愚痴のみ記入する
★★☆☆☆
日本財団の御用聞きが御用のまま国境線について書き連ねた書。
日本財団の話などはどうでもよいから、もっと海上保安庁の実像に迫って欲しい。
また、国境ということは、隣国があるという意味である。
本書では、外国側の視点(ロシア・旧ソ連、南北コリア、中台、フィリピン、アメリカ)が、ほとんど抜け落ちている
(多少あるがきわめて不充分)。
「自分勝手な主張」と批判されても無理のない筆致である。
もっと外国側の(日本人にとってはとても容認しがたい)意見を残さず列挙し、残さず反駁すべきであろう。
また、本書に即して述べれば、「危機」なるものは終わって、既に「手遅れ」の状態である。
危機意識の喚起にしても、愛国心の鼓舞にしても、本書は中途半端である。
もっとも日本の国境についてマトモに書いてあるのは、本書のような粗悪品しか見当たらないため、逆説的に、非常に憂うべき事態であるともいえよう。
ちなみに私は自衛隊廃止論者である。左翼的見地から述べるのではなく、自衛隊も海上保安庁も全部警察に統合してしまえということである。そうすれば、一般人が自衛隊員を暴行することもなくなる(暴行すれば、即、公務執行妨害である)し、本書に書いてあるような「海上保安庁と自衛隊との連絡が不行き届きで、国境侵犯した潜水艦を自衛隊が追おうとした時には、すでに領海を出た後だった」などという不手際もなくなると期待できるからである。
愛国者は読んでみよう!
★★★★☆
日本の排他的経済水域面積は世界で6番目に広い。
日本が海洋国家であることをまず述べられている。
・日本の国境(辺境)
沖ノ鳥島・石垣島・大東諸島・根室・羅臼
・領土紛争最前線
尖閣諸島・竹島・対馬・北方領土
歴史的な経緯や現状に関しての良いサマリーである。
辺境に住むことによる領土保全・海上保安官の激務
などをあらためて認識しました。著者はpatriotだと思います。
知らぜらる国境をめぐるドラマ
★★★★★
手軽に広範な領土問題の知識が身につけられる優れた構成の本。
まず第1章で国境についての基礎知識を身につけ、2章以降では
国境線上の島々や領土問題になっている島を見ていく。
論調は保守よりだが極めて実践的で、例えば北方領土は2島
返還、残り2島は当面経済面での利益のみを採る案を示している。
著者は国内外の国境線上の島々に実際に訪れ、その島での生活
などを伝えているが、その際最も活躍するのが海上保安庁
だろう。わずか1万2千人程度の人員で世界第6位の海洋を警備
する彼らの活躍には頭が下がるし、もっと国民はそのことを
知るべきだろう。
沖の鳥島は岩でなく島である
★★★★☆
日本は海洋国家である。国土面積は狭く世界の59番目であるが、排他的経済水域(EEZ)の面積は国土面積のほぼ12倍で、世界の6番目であるという。この島の重要性に鑑みて、1987年に日本は総工費285億円を使い、あしかけ7年にわたる島の保全工事を行った。領土問題では他国に押されっぱなしの日本であるが、この島の保全については先見の明があったといえる。2004年、中国はここは島ではなく岩であるにすぎないと主張しはじめた。海底地下資源の重要性に目覚めたため、日本の主張を否定するためである。本年11月7日の産経新聞によると、この島の存在により生まれるEZZ確保のため日本政府は来年ここに港湾施設を設ける予算を計上したという。この本は日本周辺の領土・領海をめぐる争いを正しく理解するための極めて適切な入門書である。
わかりやすく、タイトルそのままの内容の本
★★★★☆
「いつ日本ができたのか。どこからどこまでが日本なのか。どれだけの日本人が日本のことを知っているだろうか」。「日本は海と深く関わりながら歴史を刻み、現在の姿を作ってきたのだ」。
平易に解説されていて、よくまとまっており、わかりやすい。内容的には、タイトルそのままの本である。日本の国境を語るには、韓国、中国、ロシアといった各国との国境問題が避けて通れないが、その点も比較的冷静に解説している。
また、紛争から離れてみても、200海里水域、大陸棚資源の活用の可能性、輸出入への日本経済の依存度の高まり、といった点で、現代は海洋及び海洋政策への理解が以前よりさらに重要になっている時代であることに気づかされる。
世界の領有権紛争についての記述も興味深かった。この部分はもっと広範囲に調査して教訓を引き出せる余地があるのではないだろうか。
近年小さな島々が注目を浴びているのは、水産資源や海洋資源との関係も大きい。よって、海洋や大陸棚や諸島の帰属に関する取り決めを行っている国際組織にはどのようなものがあって、どんな活動がされているのか、そしてその中で日本はどのような役目を果たして活動をしているかといった解説もあればよかった。