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Rのつく月には気をつけよう (祥伝社文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 文庫
ブランド: 祥伝社
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軽いお酒だと思うと ★★★★☆
 石持浅海さんには珍しい軽い雰囲気の短編集。
 酒の肴とそれに合うお酒、ゲストのちょっとした恋愛話。ちょっと強引な安楽椅子探偵ですが、テイストはかなり軽めでつい「飲みすぎて」しまいそうです。

 最後の人間燻製のお話で、ストンと落ちをつけられて軽いお酒だと思っていたら、きちんと酔わされる気分です。実に美味しかったです。

 ……でも、長江くんのことを「ようすこう」というニックネームをつけることは普通ないでしょ(笑)?
最高の酒の肴は楽しい会話 ★★★★☆
大学時代からの飲み仲間、夏美・長江・熊井の3人は長江のアパートで定期的に集まって飲んでいる。最近は毎回誰かがゲストを招くという趣向。もちろん美味しいお酒と肴ありき。
装丁からお酒の話かな?思っていた。食事会というのではなく飲み会という設定が良かったです。

毎回迎えるゲストの恋愛話が実は酒の肴となっているのでしょう。
ゲストとの会話から悪魔的頭脳をもつ長江が隠れた真実を解き明かしていきます。
短編7本の中盤はちょっと設定が甘かったような気がしますが
最終話の「煙は美人の方へ」はとてもよかったです。
わたしが描いていた熊井さん像が
嬉しいくらいの裏切られようで
「やられた」感と幸わせな気持ちで読み終えられた作品でした。
あまりの「美味しそうさ」にクラクラ ★★★★☆
本を読んでいて、無性にその中に出てくるものを食べたくなる時が良くあります。
例えば、村上春樹さんの本もそれにあたりますが、今回読んだこの短編集は、出てくるもの
すべてが美味しそうで、読んでいてたまりませんでした。
石持 浅海さんの『Rのつく月には気をつけよう』です。

主人公は、湯浅夏美。
お酒の銘柄などには詳しくはないけれど、ものすごいザル。「一升瓶を一気飲みできる」と
いうキャッチコピーを付けられてしまうくらいの酒豪です。
そして、もちろん、その友人たちも飲めて当たり前。社会人になってからも、大学時代からの
飲み仲間長江高明と熊井渚と、不定期に飲み会をセッティングしています。

お話は、その飲み会に参加したゲストたちの恋愛話にまつわるちょっとした謎解きです。
しかも美味しいお酒に美味しい肴付き。
その内容は、

 ・牡蠣のアブナイ話「Rのつく月には気をつけよう」
 ・恋人との喧嘩の原因は、ビールのつまみのチキンラーメン「夢のかけら 麺のかけら」
 ・チーズフォンデュとバレンタインの苦い思い出「火傷をしないように」
 ・失敗作の豚の角煮に込められた意味は?「のんびりと時間をかけて」
 ・ぎんなんでマリッジブルー「身体によくても、ほどほどに」
 ・海老アレルギーで浮気疑惑「悪魔のキス」
 ・人間燻製の思い出は特別「煙は美人の方へ」
 
の7つのお話からなる連作短編集。
それぞれのお話に出てくる料理が美味しそうなのはもちろん、飲めない体質の自分を呪って
しまいたくなるくらい、料理に合わせてセレクトされたお酒が美味しそうです。
そして、ちょっとした謎解き。
軽〜く・サラリと読める点も良かったデス。

いい気分で読み終えることのできる作品集 ★★★★★
薄いと云われようが、軽いと云われようが
連作短編すべてが同じパターンだろうが
会話だけで推理なんてこじつけだと云われようが
この作品集は良い/好いんです。

まず手に取った時の装丁から洒脱で
登場する酒やツマミが本当に美味しそうで
一話一話さらりと読む進むことができて
いい気分で読み終える作品集は
そうあるわけではありません。

謎解きに至る過程は巧みでビジュアルが想像でき、
このまま舞台作品やテレビドラマに出来そうなところも魅力。
石持作品には珍しい軽妙・洒脱な連作短編集 ★★★★☆
’05年から’07年にかけて『小説NON』に掲載された7編からなる、おいしい酒と肴、そして恋にまつわるミステリー連作短編集である。

生ガキにはスコットランド・アイラ島のシングルモルトウイスキー、チーズフォンデュにはオレゴンの白ワイン、豚の角煮には沖縄の泡盛と、各ストーリーに登場するとびきりの旬の料理と酒の組み合わせはまさに垂涎モノ。

メインの登場人物は、大学時代からの飲み仲間である湯浅夏美、長江高明、熊井渚の3人。いつもの仲間が長江のワンルームマンションにワイワイ集えば、気の置けない美食パーティーの始まりだ。また、毎回誰かが連れてくるゲストは、飲み会のアクセントになって、酔いもまわり口が軽くなったところで謎が披露され、さらに恋愛話も盛り上がっていくのである。

真相への伏線の連続に読者が一瞬たりも気が抜けないのは他の石持作品と同じだが、本書はちょっと趣が違って、謎解き役の長江の最後の話まであくまで会話の中で無駄なく進む。良い結果ばかりではないが、それでもなんかこうココロがじんわりとする。

『月の扉』や『扉は閉ざされたまま』などで有名な、本格ミステリーの俊英、石持浅海がこんな軽妙で洒脱な作品を書くとはオドロキだ。装丁画も綺麗でなかなかオシャレである。