「美しい数学とは詩なのです」、そんな数学者の頭の中はこんな感じ
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「詩人でないものは数学者になれない」というある数学者の言葉を遠山啓先生の名著「数学入門」で読んだことがあります。どうやら数学には「何に感動し、それをどう端的に記述できるか」というような美的センスが必要なようです。では、数学者はどんな風に数学の『美しい問題』を考え付き、それを『美しく解く』のでしょう? また、それを思いつく/解くまで、どんな風に苦吟する(or 苦吟せずに済む)のでしょう? そんな数学者の頭の中を本エッセイ集で垣間見ることが出来ます。「美しい数学とは、大切なこと、しかも一般性のあることを、すっきりと、ムダのない言葉で述べたものである(→「分かり易く、抽象的に述べる」)」という意味を肌で分かるための数学的センスが易しく楽しく語られています。理系コース(ハイレベル)の高校生でも読めますが、大学教養レベルの学生が読むと、大学数学の抽象性(例:公理と構造)に馴染みやすくなるのではないでしょうか。遠山先生の「無限と連続」と併せて読むと面白さも増すと思います。【難しいことは分かり易く、分かり易いことは面白く、面白いことは深く】という研究者的態度が涵養されることでしょう。この【思考形式】のループが回れば「分からぬなら、分かるまで考える」習慣が自然に身につきますょ。Good luck ! (^-^)v