パッチワークをしているのですが、色使い、バランス、美しさ、それから、何年も前の時代でもこんなに素敵な針仕事をしているのかと思うと感動し、しばらく興奮冷めやらない状態でした。とても勉強になる１冊です。

「キルトに聞いた物語」につづく、第２作目の本です。
著者自身がアメリカの片田舎のアンティークショップの隅っこでほこりまみれになっていたものから、名の知れたディーラーさんから手に入れたとっておきの作品まで自分の目とキルトを愛してやまない想いで見つけた作品の数々を美しい写真とそれにまつわる物語で一枚づつ丁寧に見せてくれます。

私にとって、趣味でしかなかったキルトがこんなにも特別なものになるきっかけを与えてくれたバイブルともいえる一冊です。

アンティークキルトの一枚、一枚にストーリーがあるなんて考えたこともなかったけれど、この本の著者は、百年以上前に作られたキルトの作者と、「その人物がどういう家の出身か？どんな理由で、誰の為にそのキルトを作ったのか？」まで調べてしまうほどキルトを愛し、情熱を注いでいるのです。使われた布や糸でどの時代、そしてパターンからどこの土地のもの、とピタリとわかってしまうらしいのですから相当です。写真は大変鮮明でまるで博物館に展示してある美術品を見ているよう。ストーリーを読んでそれが作られた当時の人々の様子などを想像しながら配色やパターンを楽しみ、それが自分の作品へのインスピレーションになります。古いキルトの美しさと、アメリカだけでなくヨーロッパやアジアでのキルト!の歴史まで、優しく語りかけるような文章で教えてくれるのです。