ずっと保存しておきたい本
★★★★★
単なるメイキングではない。倉本聰が「風のガーデン」で伝えたかったメッセージ。
それは、「人間が最期に還る場所は、やはり家族の中ではないか」ということだ。
だが「家族」だけではなく「ふるさと」も家族の一員のように扱われる。
「生と死」」という重いテーマを倉本氏自身がどう扱ったか、
それを俳優陣、スタッフがどう映像化していったか――
たんなる裏話、メイキングを越えたものがある。
スタッフも俳優陣も、まさに「熱い思い」でこの作品に取り組んだ。
それぞれが「生きること、死ぬことの意味」を考えながら……。
そのことがストレートに伝わってくる。
ずっと保存しておきたい本だ。
「あとがきに代えて」で語られる、緒形拳への哀悼の言葉が胸に突き刺さる。